001海外不動産

『海外不動産投資をおすすめしない理由』を書き綴るサイトへの違和感

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先日、国内で不動産投資をしているという方にお会いする機会がありました。

私が海外不動産投資を実行している話をしたら、

現在バングラデシュに投資しています。
追加投資は絶対やめておきましょう
海外不動産はリスクが高すぎます。国内不動産をやるべきです。

という一方的なご意見をいただき、強い違和感を抱きました。

そして、早速家に帰り同じような見解を出している情報を探ってみたところ「海外不動産をおすすめしない理由」という記事を書いたサイトを運営している不動産会社が散見されました。

しかし、そのどのサイトも具体的根拠がなく、せっかく海外不動産に目が向いている人を国内不動産投資に関心を向けるため(=機会の損失)に書いているようにも見えました。

せっかくですので、

「海外不動産投資を考えていたけどこのような情報を読んで少し気が進まなくなってしまった」

という方に向け、私なりの見解を執筆していきたいと思います。

今回のポイント
◉ 「リスク」というものは一緒くたにしてはならず、投資する人により状況は異なるのでまずは投資をする人の方針、スタンスを見極めた上で発言はするべき。
◉ 投資やビジネスに「保証」「絶対」などの言葉を用いている時点で不適切。
◉ 海外不動産にも融資は使える、調査を進めた上で顧客に提案をカスタマイズするべき。
◉ 為替、カントリーリスクは海外にだけ言えることではなく、日本の今後にも着目する必要がある時代になったことを認識する必要がある。

 

大前提として投資を考えている人の方針を考えた上で発言するべき

まずは、投資をするにあたり、当たり前ですが人によって人生設計は異なるものです。

これに対し、投資を始める前は必ず自分のライフサイクルを考える必要があります。闇雲に投資をしては絶対にどこかで悪い人に騙されてしまいます。

初っ端から少し脱線してしまうのですが、誰しもが、老後などを考えた時に不安を抱えているのが現代の日本社会です。

基本的に、私も含めサラリーマンの方が日本の大半を占めるので「定年」まで会社に勤めて、その後は年金で暮らすというのが今までの常識でしたね。

年金については別記事で詳しく解説していきたいと思いますが、基本的に男性は昭和36年4月2日、女性は昭和41年4月2日以降の生まれである場合は65歳まで年金が貰えません。

サラリーマンの厚生年金の平均は毎月14万5千円とされていますから、60歳で年金給付開始していた世代に比べて12ヶ月で計算すると870万円の取りっぱぐれがあるということですね。そのほか繰り上げ、繰り下げ受給も存在しますが、減額率MAX(60歳受給)で約30%、増額率MAX(70歳受給)で42%となっており、過去に年金受給してきた人たちに比べれば相当に損をしている感覚に陥りますね。

これで終われば良いのですが、財務省がさらに厚生年金の支給開始年齢を68歳引き上げるべきという主張をしているのですから、年金をあてにして会社で仕事をしているだけではあとで泣きを見そうです。

これから投資をするという方は、これくらいの日本の現状を押さえておくと、投資を積極的に学習するモチベーションになり良いかと思います。

参考:「年金支給68歳」案に非難囂々 財務省に新たな火種

少し前置きが長くなりましたが、ここから投資方針の話です。

あなたが資産運用を考えるにあたり、まずは具体的な投資方針を立てなければなりません。自分は現在何歳で資産をいくら保有しており、将来何歳時点でいくらの資産を構築する必要があるのでしょうか。

将来発生する収入はいくらで、見込まれる費用はいくらかを考えた上で、初期投資金額と毎年投資に回せる金額がいくらかを見込み、毎年必要な利回りを算定(方法は別記事でまた書きます)する必要があります。

例えば私みたいにすでに結婚していて子供二人がいるという仮定の場合、老後比較的余裕をもった暮らしを送る為に、60歳時点で1億円の資産を形成する必要があるということが分かり、これが投資の方針となりました。

結果的に、社会人になりすぐにこのような方針を立て、国内金融機関などで少しずつお金を増やし、かなりの余剰資金が出きましたので新興国への投資に興味を持ちました。

余剰資金を大きなキャピタルゲインが見込めそうな国に投資するのは極めて合理的であり、私のような人間に「リスクが高い」と煽ってもなんの効果もないのです。

まずは、海外不動産を選択することが合理的・非合理的であるかを不動産営業の方は相手の話を聞いて見極める必要がありますよね。

反対に国内ですでに経験・スキルもあるし、堅実にアパート経営をしていきたいけど海外も気になる、とりあえず投資しようか、という方に「海外はリスクですよ」と言ってあげるのは有り得る話です。人によって投資対象へのリスクの度合いは変わるのです。

①:「これから値上がりする保証などないのでリスクが高い」という見解に対して

まず、投資をするにあたり、「値上がりする保証」など存在しません。あったら私も全資産を突っ込んでいるでしょう。

但し、リスクを認識し極小まで抑えるために分析することは可能です。

突然「カンボジアは絶対値が上がるので今のうちに買いましょう」と勧誘を受けても、まずはその勧誘してくる人が具体的な値上がりする理由、リスクについて説明してくれているのかあなた自身が見抜く必要があります。

酷い場合はその投資をオススメしている本人が投資をしていないということも往々にあるのです。これでは全く説得力がありませんが、世にはびこる不動産ブローカーの人はこのようなタイプばかりです。

あなたが「リスクが高い」と少しでも思うのであれば、投資を勧めてくる本人に「ではあなたは投資しているのでしょうか?」と聞くようにしましょう。

私は別の記事で、新興国不動産への投資、とりわけバングラデシュ向けを紹介していますが、私自身が投資をしているという国であることから、私はリアリストの立場であり、リだからこそここまでの詳細な分析・考察ができているのです。

バングラデシュや海外不動産投資の分析・考察は主に以下の記事を参考にしていただければと思います。

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詳細な分析だけではなく、最新の情報も得られる状況にしているからこそ、リスク対策ができているのです。

しかし、一方的に海外不動産投資を否定する人やサイトは、海外のみならず「国内の」不動産投資のリスクについてはほとんど触れられていません。

私からすれば、確かに日本の不動産は価格が硬直性がありインカムゲインが目的であり安全という主張は一理ありますが、その「長い年月」を経て得る細切れの収入を確実に積み重ねることができる、とする発想が安易だと考えています。

個人の不動産オーナーといえば中古物件に投資するのが通常ですが、あれだけ需要があると言われている首都圏でも大学の都心回帰などで大空室時代を迎えています。(空室率の1位は2018年4月現在で多摩市が69.97%!)

上記に加えて少子化という日本ではどうしても避けられない問題もあります。

インカムゲインを狙うにも、計画通りに空室リスクをマネージできますでしょうか?

もちろん今後値上がりを見込め、キャピタルゲインを狙うために高級物件を買う選択肢もありますが、そのようなエリアは分厚い資本を持った海外投資家がこぞって投資を実行しており、値が上がるばかりでサラリーマンの持てる資産力では限界があります。

そのぶん、海外不動産投資、とりわけ新興国ではそれぞれ最低投資金額が異なり、私が投資しているバングラデシュはなんと100万円から投資できるのです。

どちらの方がリスクが大きいのかは人それぞれの判断ではありますが、私の場合は徹底的に新興国市場の過去の不動産価格の上昇率、現在投資先の国を徹底的に分析することによって新興国投資<日本不動産投資というリスク認識をしております。

ここまでの見解を示した上で、「これから値上がりする保証などないのでリスクが高い」という見解を出して欲しいものです。(とりあえず会って話しましょう、というスタンスが私は大嫌いなので、性格の問題かもしれませんが、笑)

このような営業手法(忙しく時間がないサラリーマンがターゲット)を実践し実績を出してきた歴史があるのかもしれませんが、今後の日本経済を考えた上で、例えば不動産管理をそのような会社にお任せするというのも気が進まないものです。

②:「海外不動産には融資が使えない」という見解について

そもそも大前提として、「海外不動産には融資が使えない」と一緒くたにして言い切ってしまっているサイト記事が多くて驚きます。(その下に小さな文章で一部使えると書くタイプ)

国によって条件は異なりますが、融資は使えます。

新興国においては、フィリピンやマレーシアなどの新築物件に投資を実行する場合、地場銀行、HSBC(香港上海銀行、イギリスの金融グループ)などの大手金融機関が外国人であってもローンを提供してくれます。

もちろん条件は個人の信用、投資先の国によりますが、アメリカなどでも中古物件購入の際に地場の銀行から外国人であってもローンの活用ができます。

確かに、アメリカに関しては以前は外国人に対してローンを組むことは殆どなかったのですが、「海外不動産には融資が使えない」とサイトに掲載したまま、更新をせずに読者に誤認識を与えてしまうのは如何なものかと考えています。

さて、100歩譲って「日本の不動産は融資が承認されやすい、海外はなかなか承認されない」という前提に立ち返ってみたいと思います。

確かにレバレッジの点は日本不動産が有利、というかレバレッジがないと日本の不動産価格は硬直しているので、インカムゲイン期間を終了した後により大きな投資簿価(=不動産価格)での売却が肝になりますので、融資してもらうしか方法がないということなのです。

その点、海外不動産は価格の値上がり率が群を抜いておりますので、大きな資本で勝負する必要もなく、レバレッジをかける必要がないという解釈を私自身はしております。

国内不動産価格の推移に関してはこちらの記事で詳しく解説しております。

関連記事:日本高度成長期の不動産価格と比較した『新興国不動産投資』の魅力

③:「為替リスク、カントリーリスクがある」という見解について

「為替リスク、カントリーリスクがあるので海外不動産投資はしてはいけない」

これは良く聞く言葉ですね。むしろそういったリスクはあって当たり前なのです。

しかし、どの不動産会社のサイトも具体的な根拠を示してくれません。(会って話をしても同様で、イメージだけで信じ込ませている気がします)

私が解説しているような「アジア通貨危機」の背景などの説明をビシッとしてくれれば信頼できるのですが、殆どの場合、不動産会社の方と話をすると私の知識が上回ってしまう傾向があります。

関連記事:『アジア通貨危機』を読み解く・過去事例で学ぶ新興国投資(前編)

そして、まず基本に立ち返って欲しいのですが、海外不動産は為替などリスクが高い、というのは日本も同様です。日本も他の国から見れば海外であり、同様のことを言われているかもしれません。

日本の現状・リスクについては別記事でも解説済みですが、簡単に触れておくと、日本の借金はGDP比で220%あり世界最大となっています。

仮に日本が財政破綻をした場合は、猛烈な日本売りで株売り、債券売り、為替売りで加速度的な円安が発生し、その結果輸入物価が上がり猛烈なインフレが発生する可能性があり、更に、物価が高くなることにより、自分の円預金の価値が薄くなっていきます。

関連記事:財政破綻の可能性を検証し必要な対策について考える~海外不動産投資~

加えて、海外、例えば新興国と比較してみると、2017年の世界のGDPから2つの軸で表すと先進国:39%と新興国:61%の割合になっているのです。

これはどういうことか、もうお分かりかと思うのですが、世界経済においての新興国の存在感の高まりがこれだけ顕著に表れているのです。

アジア途上国(アフガニスタン,バングラデシュ,ブータン,カンボジア,ラオス,ミャンマー,ネパール,イエメン,東ティモール)、ASEAN5、中国、インドは5%を超える目覚ましいGDP成長を近年見せています。

それに比べ、先進国はカナダの3%が最高で、日本に関しては2%にも満たない水準なのです。どちらがリスクが高いのかもうわからなくなってきましたね。

関連記事:長年投資に携わった私が考える新興国不動産に投資すべき3つの理由

総括

以上、私自身が海外不動産はリスクが高いと言われた時に聞いた理由と私なりの見解をそれぞれ書いてきました。

結論としては、マクロで世界の市場動向、過去の事例、自分の資産状況と比較し適切な判断をすべし、ということですね。(当たり前ですが)

それぞれ国内の投資についての見解も書いてきましたが、あなたの投資方針と照らし合わせて実行していくべきでしょう。

この情報が、今後投資を考えている方へ有益な情報になりますと光栄です。

以下の記事では他の投資先とも比較できるので、積極的に検討してみましょう。投資は情報が命です。