リート(REIT)

アメリカREIT(リート)・サブプライム問題を教訓に選ぶ不動産証券

こんにちは、YOSHITAKAです。

不動産の証券化が最も早く進み、一般化したのはREIT発祥の地である米国です。

その米国は「サブプライム問題」という大きな問題を起こしましたね。

今回は、同国の過去事例を元に、REIT投資をする上で念頭に置いておくべきことを解説していきます。

世界で最も歴史の長いUS-REIT、J-REITより幅広い投資対象セクター

日本ではJ-REIT、アメリカではUS-REITと呼びますが、US-REITは世界で最も歴史が長く、日本の手法とも少し異なります。

J-REITは「投資法人」(SPC)という特別な法律に基づいて設立された法人を投資の受け皿しますが、US-REITは「各州の会社法」に基づき設立した通常の会社であり「従業員を雇用」して保有不動産の資産管理業務を実行しています。

不動産資産管理会社

US-REITはJ-REITと同じく「配当損金算入」の適用を受けていますが、その条件を満たすため、税務上の一定の制限が課せられているだけで、法人格としては他の会社と同様です。

従い、普通の不動産会社がこの配当金算入の要件を満たし適用されればREITになり、満たせないようになれば、普通の会社に戻ります。

日本では投資のための特別な器を用意してJ-REITを組成しますので、J-REITは不動産証券化の代表格であるかのように思われます。

しかし、米国ではそのような手続きでREITを組成する訳ではないので必ずしも、

「REIT=不動産証券化商品」

という認識ではないのです。

アメリカでは不動産証券化商品といえば、

  • CMBS
  • RMBS

を指すことが多いです。

CMBS(しーえむびーえす)

Commercial Mortgage Backed Securitiesの略称で和訳は商業不動産担保証券。ホテル、ショッピング・モール、オフィスビルなど商業用の不動産に対して実施した融資をひとまとめにし、それを担保にして証券化した商品のことをいう。

(1) 商業用不動産ローンを出し、
(2) それをプールした上で特別目的会社(SPC)に売却し
(3) SPCはそれを担保にしてAAA格付けを始めとする数種類のクラスの証券を発行し
(4) その発行した証券を引受、投資家に販売していく

ということが、具体的な業務内容である。

引用:CMBS(しーえむびーえす)

RMBS(あーるえむびーえす)

Residential Mortgage-Backed Securitiesの略称。住宅ローン担保証券。モーゲージ証券(MBS)の種類の一つで、住宅ローンを担保として発行される証券のこと。

引用:RMBS

US-REITはJ-REITより幅広く、

  • オフィス、
  • 産業施設、
  • 商業施設、
  • 住宅、
  • 分散投資型ホテル、
  • 自家用倉庫、
  • ヘルスケア、
  • 森林、
  • インフラ

のセクターに分類されています。

オフィスREIT

特定のセクターに特化した「特化型REIT」では「商業施設」「オフィスビル」「住居」が多く、特化型ではない分散投資型のREITは株式時価総額ベースで全体の1割にも満たない状況です。

さらに、

  • ファミリーレストラン、
  • コンビニ、
  • ガソリンスタンド、
  • 映画館、
  • 学校など、

US-REITはJ-REITよりも幅広い用途の不動産を投資対象としているのが特徴です。

幼稚園REIT

以下からはサブプライム問題を例に、REIT投資で気をつけるべきことを把握していきましょう。

サブプライムローンの教訓・REIT投資でも「原資産」の評価が重要

「証券化」という単語を見ると、リーマンショックを引き起こす原因となったサブプライムローンが思い出されますよね。

リーマンショックが発生する前に、サブプライム問題が2007年頃から深刻化していたことは別記事でも触れた通りです。

一応少し復習しておくと、「サブプライムローン」とは「プライム」ではない人々に対するローンであり、プライムローンより金利が高いものですね。

従来は貸手に対するリスクの高さから金利も高め、審査も厳しいということが通例でしたが2000年代半ばの住宅ブームと金余りの中、これらの人々に対して大量の融資が実行されました。

当初は住宅市場の好況が続けば、不動産の担保価値が上がり、ローンの借換え、返済が楽になるというセールストークに始まりました。

証券営業マン

しかし2006年後半からの住宅市場の下落と共に、この目論見は外れ、経済恐慌にまでに発展してしまいました。

米国の場合、住宅ローンの転売市場が発達しており、ローンを出す金融機関はローンを実行して手数料を得た後、そのローンを外部に転売、回収した資金で再びローンを出すというループを繰り返していました。

これらのローンが証券化商品の裏付けとして取りまとめられ、こうして数年の間にデフォルトの可能性が高い債権に基づく証券化商品が大量に流通することになりました。

これらの商品には当初「トリプルA」などの高い格付けが与えられており、利回りの高さから投資家の人気を集めたものの、市場の状況が反転すると格付け会社もこれらの商品の格付けを次々に引き下げ、市場は混乱に陥りました。

市場が混乱する中で証券の真の価値を特定しようとしても、多くのローンがMixされており、正しい価値を特定する手段がなく、市場参加者は文字通り疑心暗鬼となり、処分に際も額面の数分の1で取引されるような事態となったのです。

証券化商品の場合は債権を混ぜた後では適切な評価が難しくなります。

投資家の方は、REIT投資を考える際に、「不動産証券化する原資産」の評価が必要となります。

サブプライム問題の深刻化・米国のカムバック

米国の大手投資銀行を始めとして、多くの金融機関がこれらのサブプライム問題に巻き込まれることになりました。

S&Pなどが出した高格付けを、疑問に思わず信用し、高利回りに惹かれてこれらの証券化商品に投資実行した欧米の中小金融機関や、販売用在庫として大量に保有していた大手銀行など様々ですが、大手金融機関の販売力も相まって、米国と欧州の両方で深刻な金融問題を引き起こしました。

これらの「証券化商品」は市場が好調な時はそれなりに流動性がありますが、市況が悪化すると流動性が損失し、「値段がつかない状況」となってしまいます。

当初は住宅ローン債権から発生した問題でしたが、証券化商品に対する信頼性が失落した結果、商業用不動産を裏付けとするCMBS市場も2008年-2009年にかけてほとんど凍結状態となってしまいました。

米国政府政策実行のスピード感

米国政府金融危機

2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻し、世界の金融市場は大混乱となりましたね。このような事態に対応するために、米国政府は2008年10月に入り、「緊急経済安定化法」(=EESA)を成立させ、「不良資産救済プログラム」(=TARP)を開始しました。

不良資産救済プログラム

サブプライム・ローン問題等に起因する金融危機を克服するために2008年10月に制定された金融安定化法の下でのプログラムの一つで、当初は不良債権化したモーゲージ関連資産を総額7000億ドルの公的資金で財務省が買い取り、金融機関から問題資産を切り離すためのプログラムであったが、企業へ直接資本注入する資本注入プログラム(CPP)が追加され、金融機関に直接資本注入することで、金融システムの安定を図るとともに、破綻間際のゼネラルモーターズ(GM)を含む自動車産業についても、延命のための資本注入が行われた。

引用:不良資産救済プログラム

これは、

  • 自動車産業支援、
  • 金融業支援、
  • AIG支援、

その他含め5分野からなり、当初規模は7,000億ドルと巨大でした。

また、2009年3月には、連邦準備制度理事会(=FRB)が、

「ターム物資産担保証券貸出制度」(=TALF)

を創設し、同制度の下、ニューヨーク連邦銀行は最大2,000億ドルの融資を実行することとしました。

加えて、

  • アメリカ財務省、
  • FRB、
  • 連邦預金保険公社、

の3者が協働し、金利引き下げのためのMBSの買い付け、市場への資金供給、ファニーメイとフレディマックの支援などを実施しました。

ここまで経済危機発生から半年ほどしか経っていないのです。

このように米国は政府を挙げて、スピード感を持って対応し、2009年の春には市場は辛うじて最悪の時期を脱することができました。

これが米国の国力と言っても良いでしょう。日本バブルの教訓もあり、うまく言ったという声もありますが、やはり国家機関の判断力が際立った結果でしょう。

一方で混乱が続く中、大手投資銀行はこの証券化部門を始めとした大規模なリストラが実施されていました。

その後、大混乱が収まった2009年半ば以降は「証券化商品」を販売していた金融機関に対する賠償請求訴訟、金融当局から販売過程で違法行為があったとして、訴追が相次ぐなど、証券化に関与していた大手金融機関は厳しい時期を迎えたのでした。

市場回復の流れ

金融危機から復活

世界金融危機から3年ほど経過した2011年頃になると、政府が一旦買い上げた不良化した証券化商品を市場参加者に販売する動きが出てきました。

これは、市場の回復を確認した上で、「損失を出さずに資金を回収できると判断したため」ですね。商品自体はかつて問題となったものでしたし、内容も同様でしたが、この入札はかなりの活況となりました。

利回りの水準が、

「市場の安全資産よりも相当程度高い」

ことはもちろんですが、金融危機以降、証券化市場が事実上凍結状態となり、新規の証券化商品発行がほとんどされなかったことも要因の一つとなります。

一部にはこのような商品を買い取った後、商品を解体した上で、裏付け資産を単品で売却する、などの新しい動きも出てきました。

お金の動く世界では、いろんな施策がなされますね。

このように、「一定のリスクを追った高利回り商品」のニーズは根強くあるため、「公正な」証券化商品であれば十分な需要があるといえるでしょう

むすび・米国サブプライムローンの教訓

世界金融危機からの教訓・REIT投資

ここでまとめましょう。

サブプライム問題はそもそもが原資産となる「ローンの質が悪かった」とも言えますが、特に融資基準が極端に緩い時期のサブプライムローンは、デフォルトリスクが従来とは比較にならなかったという見解もありますし、「転売によるリスク回避」というモラルハザードも存在していました。

格付けを付与する格付け機関も、証券化商品が急激に発展する中、中身をしっかり把握せずに高格付けを付与したなどの指摘もあります。

証券化商品の場合、もともと中身がわかりにくく、格付が一つの投資根拠となりますが、当時のように「一度に複数ランク引き下げ」などが生じると、一部の投資家にとってはたちまち「投資対象外」となってしまい、素早く売却することが必須となります。

これが市場の雪崩現象の引き金となってしまいました。

一方、これを教訓として、今後希望の持てる点としては、

「不動産証券化商品特有の利回りの高さ」

があります。

国債などよりも利回りの良い運用商品を見つけることは、投資家とそれを顧客とする仲介業者にとって常に課題となっています。単に国債より利回りが高い商品であれば、通常の社債なども考えられますが、それをさらに上回る運用商品となると、やはり不動産関連が必須と考えられます。

市場参加者が再度「低格付資産」の取得に集まってきたことについては議論があるところですが、裏付け資産の精査・質向上をしっかり行い、適切な格付などによるリスク表示をした上で、それなりに高めの適切な利回りを備えた証券化商品を供給することは今後も重要なのです。

例えば、J-REITとは異なりますが、新興国の不動産でREITスキームと類似した方法で投資が実行できるバングラデシュ不動産は100万円から投資が可能であり、裏付け資産の精査もできており、適切なリスク表示がなされています。

もちろん、利回りも3-5年で4-8倍と明確にあります。

以下のカテゴリーで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

バングラデシュ不動産カテゴリーへ

以上、あなたのポートフォリオを検討する際に、今回の記事が役に立っていれば幸いです。

それでは良い投資ライフを。

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