米国不動産

『米国不動産投資のメリット・デメリット』アメリカ経済指標から分析

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こんにちは、YOSHITAKAです。

これまで先進国はスペイン、新興国はバングラデシュ、フィリピン、タイなどを紹介してきましたが、今回は先進国不動産で代表的な米国不動産を取り上げてみたいと思います。

米国に関しては、先進国不動産の中でも「人口が増加傾向を辿っている」珍しい国です。人口が増加するということは経済成長に向け重要な指標になることは他の記事でも書いている通りです。

今回はその点も踏まえて、米国不動産投資のメリット・デメリットを解説していこうと思います。

米国概要

まずは米国の概要を把握しましょう。

米国一般概要

国・地域名アメリカ合衆国 The United States of America
面積983万3,517平方キロメートル(日本の26倍。うち河川など68万5,924平方キロメートル)
人口3億2,571万9,178人(2017年7月1日時点、推計値)
首都ワシントンD.C. 人口 69万3,972人(2017年7月1日時点、推計値)
言語英語
宗教プロテスタント諸派(51%)、ローマカトリック教会(25%)、ユダヤ教(1%)、その他(10%)、無宗教(13%)(出所:米センサス局、2008年時点)

引用:JETRO

人口が日本の約3倍、面積は日本の約26倍ですから人口密度の点では高い水準ではないですね。

米国経済概要

項目2017年
実質GDP成長率2.3(%)
名目GDP総額19,391(10億ドル)
一人当たりの名目GDP59,484(ドル)
鉱工業生産指数伸び率1.6(%)
消費者物価上昇率2.1(%)
失業率4.4(%)
輸出額2,351,072(100万ドル)
(備考:輸出額)通関ベース
対日輸出額67,605(100万ドル)
(備考:対日輸出額)通関ベース
輸入額2,903,349(100万ドル)
(備考:輸入額)通関ベース
対日輸入額136,481(100万ドル)
(備考:対日輸入額)通関ベース
経常収支(国際収支ベース)△449,142(100万ドル)
貿易収支(国際収支ベース、財)△807,495(100万ドル)
金融収支(国際収支ベース)△331,860(100万ドル)
直接投資受入額277,258(100万ドル)
(備考:直接投資受入額)フロー、ネット
外貨準備高122,178(100万ドル)
(備考:外貨準備高)金を含む
対外債務残高33,884,421(100万ドル)
(備考:対外債務残高)期末値
政策金利1.0(%)
(備考:政策金利)期末値
対米ドル為替レート112.1(円)
(備考:対米ドル為替レート)期中平均値

引用:JETRO

GDPはご存知の通り、世界一位です。中国が2位に迫っていますが、今後の中国の経済動向を考えると、まだまだ米国の天下であることに変わりはないかと思います。

それではここから、具体的に経済の実態をみていきましょう。

米国経済成長率の動向

過去からの経済成長率の推移をみていきましょう。

米国GDP成長率引用:World Economic Outlook Database, October 2017を元に筆者作成

2000-2001年はITバブル崩壊リーマンショックが原因で大きく経済成長はマイナスとなってしまいましたが、2010年代は堅調に推移していますね。

先進国ですので、新興国の5%を超えるような成長率ではないものの、安定していると言えるでしょう。

では、今後の経済成長は見込まれるのでしょうか?人口の側面から見ていきたいと思います。

米国の人口ピラミッド・過去からの人口推移

人口動向を把握するために、米国の人口ピラミッドを見てみましょう。

米国人口ピラミッド引用:米国(人口ピラミッド)

人口ピラミッドの形としては理想的とは言えませんが、若年層に向かって痩せ細っていく日本などの人口ピラミッドとは異なり平均的なパーセンテージを保っており安心感がありますね。

実際に米国の人口推移はどうなっているのでしょう?

米国人口推移引用:World Economic Outlook Database, October 2017を元に筆者作成

少しずつ人口数は上昇しており、2010年〜2017年で5%程度増加しています。

人口が増加するということは住宅需要も高い状態を維持するということですね。

それでは不動産に関しての説明に入っていきたいと思います。

米国不動産投資は検討に値するのか?アメリカ市場の特徴

上記で、米国経済成長、人口形態を見てきましたが、その他の点で米国には特徴があります。

それは、米国不動産市場は世界的に最も透明性が高く、投資インフラも整備されているという点です。

各種不動産投資に必要なデータ(空室率・世帯年収など)も揃っており、投資判断するにあたり助かる部分ですよね。出口戦略として売却を購入前から考えるときも、地域戦略の実行が可能です。

また、不動産取引が非常に実行しやすく、権利 ・取引関係も明確であり、新興国不動産と違って安心感が強いです。

また、米国の不動産は中古物件市場が80%を占めており、中古物件購入後に売却する際に、「中古である」ことを理由に値下がりすることもなかなかありません。

米国は州によって不動産市場の特性が全く異なる

米国と言えば、州ごとに独立性が非常に高いことで有名ですよね。

カリフォルニア州一つとっても、フランスやイタリアと同水準の経済規模があると言われていましたが、2017年には英国のGDPを超えたと報道がありました。

以下は各州を世界の国々の経済規模に当てはめた図です。

米国州別特徴

このように、非常にバラエティに富む特性をそれぞれの州で持っています。

また同じ州でも都市圏と地方では平均年収なども大きく異なり、格差も大きくあります。

LAに関しては都市圏だけでオランダの経済規模を誇りますので、州のみのデータだけではなく、より詳細に都市ごとの経済規模を見る必要がありますよね。

以下はカリフォルニア州がトップですが、ITベンチャーで活躍する若者が集まるシリコンバレーがあることも影響しているかと思います。

被雇用者の年収ランキング米州引用:アメリカ地域ランキング

どこの地域に投資すべきか?という話であれば、現在はシェール革命にて雇用が増加している「テキサス州・オースティン」が人口の流動性も高く、狙い目とも言えるでしょう。

1.「シェール革命」とはなにか

シェールオイル・シェールガスのシェール(Shale)とは、頁岩(けつがん)という、泥が固まった岩石のうち、薄片状に剥がれ易い性質を持つ岩石のことです。

太古の海や大河の河口では、水中のプランクトンや藻類などの有機物が、死後に沈降、堆積し、バクテリアによる分解作用を受け変質して腐食物質(ケロジェン)に変化します。ケロジェンを含んだ堆積物がさらに地下深くに埋没すると、地熱や圧力により化学変化して石油分やガス分ができます。

頁岩からなるシェール層の石油分やガス分は、外部に移動する一方で、シェール層の岩石の隙間に残っていることがあります。地下の比較的浅い部分のシェール層の中には石油混じりの資源が、さらに深くなれば熱分解が進んでガスがあると考えられています。これらが、シェールオイルやシェールガスであり、これらの生成反応は数千万年から数億年という長い時間をかけて行われてきました。

米国において、従来は経済的に掘削が困難と考えられていた地下2,000メートルより深くに位置するシェール層の開発が2006年以降進められ、シェールガスの生産が本格化していくことに伴い、米国の天然ガス輸入量は減少し、国内価格も低下していきました。これが、いわゆる「シェール革命」であり、エネルギー分野における21世紀最大の変革であるとともに、世界のエネルギー事情や関連する政治状況にまで大きなインパクトを及ぼしています。

引用:経済産業省(エネルギー庁)

米国不動産投資のメリット・デメリット

米国不動産投資のメリットとして、減価償却による節税メリットですね。

例えば日本の新築木造住宅の減価償却を計算すると、30-40年ほどで償却完了してしまいます。

しかし、米国では上記で中古物件が80%を占めると触れましたが、中古住宅を長く使用することが通常となりますので、築100年の建物でも流動性があり、30-40年を過ぎても市場で取引が活発です。

減価償却年数は、日本の税制・耐用年数が適用され「築22年以上」の木造物件に関しては「4年」で減価償却が可能となります。これは大きなメリットですよね。

しかも長期運用が可能なのです。減価償却の急激な前倒しが可能であるということです。「所得税の圧縮」とも言われています。

デメリットとしては、基本的なことになりますが現地の信頼できる不動産管理会社を探す手間、語学面ですね。米国駐在などをして現地に特別なコネクションがあるのであれば、この辺はスムーズにいくのかもしれないのですが、急に日本から米国不動産投資を進めるのは少し恐怖があります。

また、融資先を見つけるのも困難です。レバレッジが売りの「インカムゲイン狙い」の不動産投資をする上でこれは大きな障壁となってしまいますよね。

やはり、投資は積極的に実行するべきではありますが、あまりにも手間が煩雑で精神的に消耗してしまうのはよくありません。

米国不動産投資におけるコスト・税金

米国不動産投資で掛かる税金としては、

  • 不動産購入時のエスクロー(物件総額の2.5-3%)、
  • 固定資産税(州ごとに異なる)、
  • インカムゲインに掛かる所得税、
  • キャピタルゲイン税(1年未満は10-39.6%、1年以上は0-20%)、

となりますね。不動産取得税は掛かりません。

エスクローとは以下のようなもので、米国不動産取引ではこの形態が浸透しています。

エスクローとは?

取引の際に、売り手と買い手の間に信頼を置ける中立な第三者を仲介させること、またはそのサービスをいう。不動産取引の安全を確保するためにアメリカで発達した仕組みであり、最近は電子商取引の決済においても活用されている。

不動産取引の場合には、エスクローサービスを提供する第三者は、売り手からは権利証書等を、買い手からは代金を寄託され、物件の確認、決済、登記、引渡しなどの業務に当たる。もっとも、日本ではあまり広まっていない。取引当事者間に信頼感があること、宅地建物取引業者が包括的なサービスを提供していることなどの事情によるものと考えられる。

引用:エスクロー(Escrow)とは

むすび

ここまで、米国不動産投資について解説してきました。

インカムゲイン狙いで米国不動産投資を実行するのは良い選択肢の一つとなりますが、

「すでにまとまったキャッシュがある」

「米国に不動産投資に関連するコネクションがある」

「英語がある程度高い水準」

である人以外はあまりお勧めできるものではないかもしれません。

投資の経験の為に実行してみる、という程度であれば、試してみても良いかもしれません。

まだ投資先を検討している方は、私の投資をする基準の考え方を参考にしてみてください。

それでは、良い投資ライフを。