日本で預金封鎖が発生する可能性を検証する・いつ頃起こる?それは何が原因なのか?

今回は以前日本の財政破綻の可能性で論じた通り、現在の日本の政府債務は1400兆円で、この債務を減価するには円安・インフレによって価値を減価させる方法が最も王道の手法であると説明しました。

その為、現在日銀は年率2%を目標とした金融緩和政策を敷いていますが、この施策が失敗した場合は急激な円安・インフレが発生して借金の価値を減価という結果を招きます。

日本で発生するインフレの経路

そして、この急激なインフレ(=ハード・ランディング)が起こった時に、歴史上行われてきたのが国家による預金収奪手段ともいわれる預金封鎖です。

今回は日本政府による預金封鎖が発生するまでの道筋について考えられるケースを書いて行きたいと思います。

以前戦後の日本で行われた預金封鎖については戦後の預金封鎖をご覧ください。

今回のポイント

<現状の確認>

  • 政府の負債は1400兆円で家計資産は1800兆円から賄われている
  • 家計の資産成長ペースより政府の負債成長ペースの方が早い
  • 日銀の国債保有比率は40%で近年減少傾向の預金銀行20%を大幅に上回っている
  • 日銀は預金金融機関から国債を購入している 預金封鎖へのTrigger
  • 政府債務が家計資産を上回るのは遅くて20年早ければ10年以内
  • 現在のペースの金融緩和を行えば3年程度で預金金融機関保有の国債は枯渇 Trigger後の道筋
  • 一つは政府国債の日銀直接引き受け(ヘリコプターマネー)
  • 海外勢による国債引き受け 預金封鎖への序章
  • ヘリコプターマネーによる流通円貨の増大によりインフレの発生
  • 海外勢による債権・通貨売による国債金利上昇とインフレの発生

<預金封鎖>

  • 首が回らなくなった政府による預金封鎖による預金課税という名の資産没収
  • 著しく減価した円の新円への切り替え(=デノミ)

 

日本国債の行方と日本銀行のバランスシート

日本政府の債務は以下の通り年を追うごとに増加傾向なのは周知のとおりです。その金額は1400兆円に迫ろうとしています。

政府負債の伸び
(引用:日銀の資金循環統計)

それでは、この借金を誰が受け持っているのかということが気になるところです。

保有先については日銀が公表しており、発表元の日銀自身が2013年4月からの異次元緩和によりなんと40%もの国債を引き受けていることが見て取れます。

一方、市中銀行の保有比率は減少の一途を辿っています。これはバーゼル委員会による国際ルールの変更で銀行が保有する国債がリスク資産だとみなされる恐れがでてきており、2019年移行銀行が国債補油を行うばあい資本の増強を与儀なくされる事態に備えて国債保有比率を引き下げていることが原因です。

日本国債保有者の割合
(引用:日銀の資金循環統計)

それでは政府の借金の最大の賄い手である日銀のバランスシートを見てみましょう。

日銀のバランスシートの概要
(引用:日銀業務概況書より筆者作成)

資産は買い入れを進めている国債が8割以上を占めており、一方の負債は預金と銀行券がしめています。

これが指し示すことは単純で、政府が赤字国債を発行して、それを市中銀行が買い取り、それを日銀が購入しているのです。そして、この過程の中で日銀は新たに日本円を増刷して、市中で流通する日本円の総量が増加させているのです。

日銀が市中銀行から購入した国債が資産となり、その支払いの為に発行した円が負債となるという仕組みです。

 

通常の日銀の国債引き受け

預金封鎖の可能性①:家計の資産を政府債務が上回る時

先程の保有比率で多くを占めているのは、日銀、預金銀行、年金機構であり、これは元々は国民の預金ひいては国民の資産によって支えられています。

つまり、国民の家計資産が政府債務を上回る限りにおいては国債が国内で消費される環境が続くことになりますが、家計資産を上回ると状況がいっぺんします。

いつ家計資産を政府債務が上回るのか

では肝心な国民の家計資産の状況はどうなっているかを再び日銀の資金循環統計でみてみましょう。

日本の家計金融資産
(引用:日銀の資金循環統計)

この10年間で200兆円程しか増加しておりません。

一方、日本政府の負債は財務省によると今年度34兆円の赤字国債発行が予定されており、先ほどの政府債務の伸びも明らかに家計資産の伸びよりも急激であることが分かります。。(引用:財務省)

そして、今後更に少子高齢化で悪化していくことは明らかで、遅くとも20年以内には政府負債が家計を上回ることが予想されます。

また最近はアベノミクスで株価が高騰し家計負債を増幅させている側面もあり、リーマンショクのような株価崩落が起これば更に早く場合によっては10年以内に家計資産を上回る時が来る可能性もあります。

家計資産を上回った後に辿る経路①:日銀引き受け(=ヘリコプターマネー)

家計資産を上回った後、頼りとなる預金が枯渇することから奥の一手である日銀が直接引き受ける日銀引き受けを行う可能性があります。

図にすると、今までの日銀の国債購入方法は以下でありました。

それを預金金融機関を省いて、政府と日銀が直接国債と日本円をやり取りするという方法です。預金銀行が購入しているうちは、日本国民の預金を原資として国債を購入しておりました。

ヘリコプターマネー

しかし、上記のようになってしまうと上限なく無限に日本円を創出できてしまいますよね。これが所謂ヘリコプターマネーというものです。

何故いままで金融緩和を行っても紙幣価値の希釈化によるインフレが発生しなかったかというと、今までは日銀が円を増刷しても日本の金融機関が貸出先を見つけられずに日銀預金の中に眠らせていたため、市場に流通しなかったのです。

インフレ発生しない仕組み

しかしヘリコプターマネーとなると、刷ったお金が直接市場に政府支出という形で流入していきます。

ヘリコプターマネーのインフレ発生仕組み

こうなってくると市場の円の流通量が爆発的に増加してくるので、愈々強烈なインフレが日本を襲うことになります。

日本国政府の信用は一定寧ろ債務過多で低下気味なのに、紙幣流通量が増えるので当然貨幣価値は暴落するのです。

こうなってくると、日本円という現金を誰も信用しなくなりヘッジファンドを始めとした外国勢にも円が売られに売られ通貨として機能しなくなってくる可能性があります。

ことここに至って政府が最後の策として行うのが預金封鎖です。預金封鎖を行い、今の円を廃止して新しい円に交換するというデノミという処置を行う可能性があるのです。

つまり現在の100円を新1円という紙幣に交換するという処置です。実はこの処置は戦後間もない1946年に日本で実際に実施されており、他の国でも同じような事例は起こっており決して非現実的なことではないのです。

コラム:急激に進行する現金価値の希薄化

ただでさえ以下のように日本のマネタリーベースは黒田日銀総裁就任以降急増しています。

日銀のマネタリーベースの増加(引用:日銀マネタリーベース)

「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」のことです。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と日本銀行当座預金(日銀当座預金)の合計値です。

マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

(引用:日銀マネタリーベースって何?)

簡単に言えば、日本のお金の総量ということです。

日本のGDPの3倍の規模を有する米国のマネタリーベースが350兆円であるにも関わらず、日本のマネタリーベースが500兆円に達するということから既に異常なレベルであることが分かります。

現金とは元々金本位制の時代は、各国が保有する金に応じて発行しておりました。裏付けとなる金があるのであれば、その国の現金にも信用が持てますよね。

現在の日本は金を765t、1kgを約5000円と仮定すると約3.8兆円分しか保有しておりません。米国が8133t保有していることを考えると10分の1しか保有していないのです。

米国ですら金保有量40兆円に対して、350兆円のマネタリーベースで過剰であるにも関わらず、日本の金保有量はわずか3.8兆円であるにも関わらず約500兆円のマネタリーベースということからも、その異常さがお分かりになられたかと思います。

明らかに現時点でも日本円は刷られ過ぎているのです。

家計資産を上回った後に辿る経路②:外国人による国債引き受け

他の選択肢としては外国人に国債を引き受けてもらうということです。

現在外国人は5%程しか国債を保有していないので、国内で消化できなくなった分を外国人に頼っていくという方法です。

すると外国人特に資金力を持ったヘッジファンド等の投機の対象となり、日本の財政から返済不可能であることが明らかなので売り浴びせを仕掛けられるのは時間の問題となります。

こうなってくると、

国債売り浴びせ国債金利上昇国債利払上昇更に厳しい財政更なる国債売り浴びせ

という魔のサラ金地獄に陥ります。どうにも首が回らなくなった政府は上記のヘリコプターマネーを実施するか、いきなり預金封鎖を行い国民預金を強奪するという強硬手段に出る可能性もあります。

直近ではキプロスやアイスランドでも例のある通り、預金課税という手法を用いて、ある一定額以上の預金口座金額を徴収するという、最早政府という権限を利用した合法的な収奪が行われる可能性があるということです。

国民資産の収奪と、Japan売り(株・債券・通貨)特に通貨売によるインフレによって政府は荒療治ではありますが、財政再建を完了する傍ら国民は資産収奪とインフレによって苦しむという最悪の結果を招きます。

預金封鎖の可能性②:預金銀行の国債保有残高が底をつくとき

もう一度現在の国債の各プレイヤー毎の保有比率をご覧ください。

国債保有者の内訳

日銀が500兆円程度を保有する一方、預金金融機関の保有残高は年々急激に減少し200兆円程となっております。

そして現在の日銀の国債購入法は市中の預金銀行から購入していることを考えれば、市中銀行の保有する国債が日銀が購入できる上限ということになります。

日銀の国債購入量は年額60兆円~80兆円となっており、このペースの金融緩和を行えば3年弱で限界を迎えてしまいます。

限界を迎えた後は先程の可能性①でのべたパターンと同じで、ヘリコプターマネーか外国人からの資金を頼ることとなり預金封鎖による預金課税やデノミが実施される可能性が俄かに高まっていきます。

総括

今後3~10年の間に日本政府並びに日銀は窮地に立たされ、禁断の果実であるヘリコプターマネーや外国人による国債引き受けを受け入れざるを得なくなる。

そうなった際には、急激なインフレを伴いながら預金封鎖による資産没収並びに新円への通貨切り替えの選択肢が浮上してくる。

結局国の放漫財政のつけを払わされるのは、国民でありインフレと預金封鎖から身を守る手段を真剣に考えなければならない。

私は海外不動産特にバングラデシュ不動産を対策として考えておりますが、何故海外不動産が預金封鎖の対策として有効なのかという点については、来るべき預金封鎖の対策について徹底的に解説するで説明しておりますので、参考にしてみて下さい!

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