006タックスヘイブン

タックスヘイブンの問題とは?その仕組み・違法性・対策税制を解説

タックスヘイブンを活用する個人投資家や有名企業がパナマ文書のリークで明らかになりました。

このリークがあるまでは、タックスヘイブン国、地域では情報開示を秘匿する規制を敷き、それが国の政府であっても開示はしなかったために、実際にどれくらいの人数、企業数がタックスヘイブンを利用しているのかを把握することは困難を極めていました。

しかし、パナマ文書のリストがリークされ利用者が膨大な数にのぼったことにより、富裕層を中心に過剰な租税回避をしている実態に、世論から批判が相次ぎました。

しかし、これは富裕層が税メリットを享受していることへの不平等感から来るものが大半であり、本質的な問題はあまりフォーカスされません。

タックスヘイブンの過剰な利用は、個人としてはメリットがありますが、国としては累進課税を敷いているので単純に高額な取りっぱぐれとなるわけですね。

今回はその点を解説していこうと思います。

タックスヘイブンは違法と批判が集まるが歴とした合法である

タックスヘイブンは直訳すると租税回避地であり、文字通り租税を回避する目的で利用することになります。タックスヘイブン国・地域は別記事でまとめているのでそちらを参考にしていただければと思いますが、基本的に同地域にペーパーカンパニー(SPC)を設立することになります。

タックスヘイブンをわかりやすく解説・パナマ文書に日本人の名前も?

確かに、犯罪組織が資金洗浄に利用しているという声もあり、そちらは完全に違法ですが、パナマ文書の流出で明るみになった著名人の方々は基本的にタックスヘイブンを適法で利用しているはずなのです。

タックスヘイブンの仕組みを図解で解説・主な対象国はバージン諸島など

タックスヘイブンを図解すると以下の通りになりますね。国民の「怒り」も入ってしまっていますが、世界中のお金がタックスヘイブンに集めっていることがわかりますね。

タックスヘイブンスキーム引用:朝日新聞デジタル

富裕層が情報の壁を有するタックスヘイブンに資産を集中させ、国民・企業が増税となっており富裕層に怒りを感じている図になっていますが、これが合法である以上はそのような声はどうしても届かないのが実態です。

経済の仕組みについて解説している記事でも述べていますが、国民が富裕層に怒りを感じる構図はいつの時代も変わりません。

私自身もサラリーマンですので、不公平感は多少感じますが、資本主義を敷いている国のプラットフォームに逆らうことはできないのです。

ベストセラー本も不要・経済と社会のポイントを簡単な言葉で解説する

タックスヘイブン利用が進むことを問題視している日本国税庁が解決策として敷いているタックスヘイブン対策税制(合算課税)とは?

タックスヘイブン解決策

まず、これは日本だけの問題ではないのですが、国の政府が富裕層などがタックスヘイブンの利用を進める上で問題視しているのは、

  • マネーロンダリング(資金洗浄)の可能性
  • 歳入の損失

の2つです。

1つ目のマネーロンダリングの定義としては以下になります。

マネーロンダリングとは、日本語でいうと資金洗浄を意味します。麻薬取引、脱税、粉飾決算などの犯罪によって得られた資金(汚れたお金)を、資金の出所をわからなくするために、架空または他人名義の金融機関口座などを利用して、転々と送金を繰り返したり、株や債券の購入や大口寄付などを行ったりします。これは、捜査機関による差し押さえや摘発を逃れるための行為で、世界中で巨大な闇のお金として悪用されることもあります。もちろんこれらの行為は法律で禁止されています。

引用:SMBC日興證券

タックスヘイブン国の特徴として、個人情報・口座情報を開示してはならないと定めている「銀行守秘法」があります。この法律の隙間を狙い、資金洗浄をする組織があるという話があるのです。具体的な方法はもちろん表に出ていませんが、犯罪組織が目を向ける地域であるということではありますね。

また、2つ目の歳入の損失ですが、世界ではモナコ王国を除いてほとんどの国が累進課税を敷いており、税率の高い富裕層が海外のタックスヘイブン国に租税回避をすることで国の歳入が減少してしまうということですね。

しかし、実際にタックスヘイブンの利用まで国で制限してしまうと、今度は優秀な人材が税率の低い国へ移住してしまうので「人材流出」が危ぶまれることになるのです。本質的な問題とは実はこちらになります。ですので政府も強硬姿勢を取ることができないのです。

例えば、シンガポールは所得最高税率が22%(以前は20%)、法人税率も17%(実効税率はさらに低くなる)と非常に低く、世界中から優秀な事業家が集まり国も発展していったという例があります。

法人税率:17%

通常の法人課税所得のうち、最初の1万シンガポール・ドル(Sドル)の75%、および次の29万Sドルの50%は免税となる。また、2018賦課年度には、法人税額の20%(年間1万Sドルを上限)がすべての法人の法人税から減税される。

引用:JETRO

これに対して、日本の所得税は以下の通りです。これに加えて住民税(10%)が掛かってきますね。法人税率も実効税率は、[法人税率×(1+住民税率)+事業税率]÷(1+事業税率)で計算し、31.33%と段階的に低くなっていますがまだまだ高いですね。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

引用:国税庁

「人材流出」は「税金の取りっぱぐれ」よりも国の発展には重要な問題となりますので、政府が合法で利用しているタックスヘイブンの利用を禁止することは結果的に合理的ではなくなるのです。

しかし、これを盾に次々とタックスヘイブン国にペーパーカンパニーを大量に作られては困るわけです。それを抑制するのが「タックスヘイブン対策税制」です。

タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)とは、わが国の内国法人等が事業上の合理性がないにもかかわらず、租税負担の軽い国や地域に所在する子会社等を通じて事業を行うことにより租税回避を図る行為を規制するための制度です。

一定の軽課税国に所在する外国子会社等が「特定外国子会社等」に該当する場合は、原則としてその所得は、当該子会社会社等の一定の持分を有する内国法人(および居住者)の所得に合算して課税が行われます。

引用:PWC Japan

つまりは合理性がある場合はタックスヘイブン利用可、合理性が認められなければ日本に「合算課税」が行われるのです。簡単なフローは以下の通りですが、各項目に細かい条件があります。

タックスヘイブン対策税制適用判定フロー

このフローで適用しないものを排除し、しっかり国で課税しているということですね。

伊藤忠商事の名前が文書から流出していましたが、しっかり監査法人と一緒に書類を作成し、適用か適用除外かを判定の上、タックスヘイブンを活用しているはずです。

タックスヘイブンを個人投資家が利用するには?

個人富裕層

個人投資家がタックスヘイブンを活用するにあたり最初に提案されるのは基本的に、

「オフショア会社の設立」

でしょう。

オフショアとは、ビジネスに於いては「海外の」という意味です。基本的には新興国・発展途上国を指しますが、コスト削減を目的に自社業務を人件費の低い海外企業、若しくは海外子会社に委託・移管することを言います。その地域に会社を設立するということですね。

個人が租税回避をするにも、5000万円以上の海外資産を保有する日本居住者は毎年税務署に「国外財産調書」を提出する必要があります。しかし、オフショア会社はその報告をする必要がないというメリットもあります。

オフショア(タックスヘイブン地域)法人で資産運用し、運用益は非課税・個人帰属もなしとなり、租税回避となります。代行業者が手続き面は実施してくれるので非常に楽であるというメリットがあります。代行業者と、タックスヘイブン対策税制の適用除外とならないよう、しっかり議論をする必要はあります。

費用も初期に数十万円払う必要がありますが、運用益が大きいのであれば安く感じるのではないでしょうか。場合によっては渡航も必要ですので、そこはさらに費用が増えます。

会社設立などに係る手数料は?

タックスヘイブン手続き手数料

登記料や年間手数料は具体的な例を挙げると、

  • バヌアツ共和国→企業登記:150USD、企業登記簿維持:毎年300USD
  • マン島→年間登記簿維持費:320ポンド

などであり、これに加えて手続き代行業者、コンサル料などが掛かります。

富裕層からすれば掛かっても年間約20〜30万円ほどですから、メリットは非常におおきいですよね。

むすび

タックスヘイブンについて解説してきましたが、資産が3000万円以上になった、など大きくなってきた人は検討してみるのが良いのかもしれません。

代行業者やコンサルタントは無数にいますが、複数人会って、しっかり見極めて手続きを進めていくことをオススメします。

 

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