私の周りの東大卒や総合商社のような人の中でも株やFXで大損したという方は結構多くいらっしゃいます。
なかにはFXでレバレッジを掛け、親族や友人に借りたお金も返済できなくなり遂には自己破産してしまったという方も先輩でいらっしゃいます。
このように大損引いては破産が怖くて投資に手が付けられない方は非常に多いのではないでしょうか。実際日本人は以下のように欧米に比べて資産のうちの投資に回す比率が著しく低いことが日銀のデータでも明らかになっております。
(引用:資金循環統計)
日本は欧米に比べて金融教育も発達しておらず金融後進国であることと、やはり狩猟民族と農耕民族の差がでてきているのかと推測しています。
こつこつと備蓄(貯金)を増やすのがDNAレベルでしみついているのでしょう。確かに投資で大きく失うのは怖いですからね。
ただ資産運用を行わないのであれば、行わないで逆に資産の実質的価値が減少していく未来がすぐそこに来ておりますので、資産運用を行いながら損をできうる限りミニマイズする方法を考えていかなければいけません。
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何故株で大損をするのか??
まず前提として私達がいきているのは資本主義社会です。
そして資本主義が本格的に芽吹いた19世紀から以下のように株式市場は増加の一途をたどっています。

1802年という大昔我々の祖父の祖父の祖父の時代に株に100円を投じていれば、今頃10億円近くの大きな富を得ていたことになります。(当然当時の100円は相当な金額なわけですが)
このように上昇し続け出る株式市場でなぜ大損してしまう人が多いのかを考察していきましょう。
理由①:バブル以降の日本経済と株式市場の異常な低迷
まず日本特有の事情があると思われます。日本ではバブル崩壊以降日経平均は3万8000円台から一時東日本大震災時に7000円台まで実に6分の1の水準まで下落しました。
引用:日経平均株価の推移
あの2015年の中国バブルでさえ、たったの半分になっただけですので、日本のバブル崩壊以降の沈黙ぶりといったら世界に類を見ないレベルです。
長期的に最もパフォーマンスがよいとされる、日経平均のような指数がこの有様では日本の株式投資を行っていた人たちが大損こいたという話が出てきても全くおかしくありません。
現在は日経平均2万円という水準は20台から我々の30台の世代は初めての水準なので、非常に割高な気がしますが、企業業績を伴った株価でPERは13倍と史上最低水準の割安なレベルになっていないのです。
実際昨年2017年度も日本の株式市場は欧米市場に対して出遅れており、日本人がまだ株式市場に対する後遺症を負っているのが原因のように思われます。
理由②:近視眼的な銘柄選択
次に銘柄を選ぶときに雰囲気で取引している方に大損している傾向にあります。
例えば何をしているかよくわからないけど、毎日株価が連騰している銘柄や巷の凄い勢いらしいよという噂を元に銘柄を選択している方は要注意です。
バフェットやピーター・リンチなどの著名投資家が警告しているように、自分がよく投資しようとしている企業の事業や財務諸表を分析して説明できないのであれば投資するべきではありません。
『クレヨンで説明できない株には投資しない』
『90秒で説明できないような株には投資しない』
引用:ピーター・リンチ『株で勝つ』
このような雰囲気で投資をしていては、これは投資ではなく投機の域をでません。株式市場の面白い点は、企業は順調にいけば成長していき尚且つ理論的に株価を分析することが可能であるという点です。
つまり理論的に分析して銘柄を選ぶことが出来るのです。デイトレーディングが難しいサラリーマンの方は特に雰囲気トレーディングだけは辞めておいたほうがよいでしょう。
理由③:レバレッジをかけた運用
次に株式投資にも信用取引という手法を使えば、3倍までのレバレッジを掛けることが出来ます。
簡単にいうと100万円の資金を投じれば300万円分の取引きが出来るということです。もし20%株価が下落すると元本の60%を失い再起不可能なレベルの資産を失うことになってしまうのです。
1000万円を3倍のレバレッジを掛けて20%下落し資産が400万円に減ってしまったとします。すると最初の1000万円に戻すには、レバレッジなしで250%、レバレッジ3倍で150%の運用を実現しないといえなくなるのです。
一度大きく資産を失うと取り返しが付かないので、信用取引は板んい張り付いて数円の動きを抜く専業デイトレーダー以外は使用を控えた法がよいでしょう。
何故FXで破産するのか?
私は総合商社の為替トレーディング部隊で為替取引を行っていた経験があります。所謂プロトレーダーだったわけですが、為替取引で利益を得るのは非常に難しいことを実感しました。
実際冒頭で述べた破産した先輩というのは元為替トレーディング部署の先輩でした。日頃から常に為替取引について考えていても成功するとは限らないわけです。
FXの個人成績と資産運用としての適性
日本人は兎に角FXが大好きで、世界の為替取引を行っている投資家の6割が日本人であるというデータもあります。
そして日本人の主婦がやっているというイメージからミセス・ワタナベと言われています。基本的に為替市場は上がるか下がるかなので勝率は50%に収斂するはずですが、以下日経新聞の日本の個人投資家の成績に言及した文言を参照下さい。
2017年は外国為替証拠金取引(FX)を手掛ける個人投資家(通称、ミセス・ワタナベ)の運用成績がようやく上向いた1年だったようだ。有力FX会社の顧客向け調査で、利益を上げた人の比率は41.6%となり、アベノミクス相場下で最悪だった16年を4.8ポイント上回った。
(引用:日経新聞)
2017年は改善して41.6%、2016年はそれより4.8%低くて36.8%という燦燦たる結果となります。
そもそも全体として時価総額が上昇していく株式市場とは異なり、勝率が50%のゼロサムゲームの時点で投資とは言い難いですが、勝率が40%近辺ともなってくると最早競馬やパチンコと同じレベルになってきます。
また株式と異なり理論的な水準というのが導きにくいという点を資産運用の投資先として不適当であると言わざるを得ません。
何故FXで大負けするのか?
先ほどの結果っから日本人の個人投資家は為替市場からカモにされていることが分かると思います。
では何故日本人投資家はカモにされるのでしょうか、為替トレーディングを行っているときに実感したのですが、為替市場には情報と資金力という面で有利なプレイヤーが二つあります。
一つ目は銀行のトレーダーです。銀行のトレーダーは資金力もさることながら、自分の所に誰がどれだけ取引しているかといった情報が集まってきます。
全てのプレイヤーが銀行を通さないと為替決済が出来ないため、情報が集まってくるのです。そして為替市場にはインサイダー取引というものがないため、情報を多く持っている主体のほうが有利に取引を進められるのです。
TOYOTAがばんばんドルを売っているという情報や大物のヘッジファンドが仕掛けていることが分かれば、そちらの方向にベットすればよいですからね。
次に銀行のトレーダー程有利ではありませんが、大きな資金力を有しているヘッジファンドも有利にことを進められます。
FXには損切の注文が固まっているポイントというのがあるのですが、この損切ポジションを大きな資金力で突破することにより大きな利益を獲得することが出来るのです。
例えば、現在110円08選で110円に損切の売りポジションが溜まっているとするならば、ドル円を売り浴びせることによって、110円の損切ポジションをひっかけて109円台80銭台~90銭台、時には60銭台までの利益を獲得することが出来るのです。
彼らが勝てば勝つほど個人投資家がその分負けているといい構図になっているのです。
SWAPトレーディングの罠
良く高金利通貨をポチポチと購入していきSWAP利益を蓄えながら、逆に大きく下落して大損をするというパターンです。
トルコリラや南アフリカランドなどの高金利通貨を買い続けてきた人達に、大損失を出し続けた方が多いのではないでしょうか。
このような国は政情が不安定で、一つの大きなニュースで優に10%下落するということがあり得ます。ドル円でいうと100円から一気に90円まで下落することがあり得るということです。
レバレッジを10倍に掛けていたら、それだけで全ての資産を溶かすことになります。目先のお小遣いのために全てを失ってしまっては元も子もありません。
そもそも何故SWAP益が発生するのかということを考えないといけません。SWAP益を獲得できるということは当該通貨の金利が高いことを意味します。
では何故金利が高いのでしょうか。日本も金利が高い時代はありました。それは高度経済成長期です。
当時は年率5%以上のインフレが発生していました。インフレを抑えるために金利を高く設定して借入需要を抑えて経済を抑制していたのです。
ではインフレというものについて整理をすると、お金の価値がモノに対して減価する減少です。(購買力平価説)
簡単に例えばインフレ率が0%の日本と、インフレ率が5%の南アフリカを対比します。簡単のために実際とは異なりますが1南アフリカランド(ZAR)=1円とします。
現在マクドナルドがハンバーガーが1つ100円とすると、日本では翌年も100円です。南アフリカでは今年100ZARのバーガーは翌年105ZARとなります。
ハンバーガー自体の価値は変わらないので、翌年は100円=105ZARとなるのでZARの価値が減少するのです。
つまり金利の高い国の通貨は金利によるSWAP益を得られる反面通貨の価値が減少していくというトレードオフの関係がある通貨であるということなのです。
FXの高いレバレッジ
株式は3倍までのレバレッジでしたがFXでは最大25倍のレバレッジを掛けることが可能です。
破産する方はこの過剰なレバレッジを掛けている方に多いように思われます。最初に申し上げた自己破産した先輩は5000万円で10億円を運用しておりました。
レバレッジ20%ともなると、5%の下落で全資産を失うことになりますね。そして、このようなレバレッジを掛ければ最早仕事どころではなくなります。
過剰なレバレッジは決してかけるべきではないでしょう。
資産下落を恐れる必要がない投資先
私の15年にわたる投資経験上、最も価格値下がりリスクを抑えることができ大きな利益を狙うことができるのは成長国の不動産投資です。
日本の高度経済成長期の不動産価格は1960年代鰻登りでした。以下のグラフを見ていただければ分かるのですが、常に前年度比でプラスの成績を出し続けていました。

一方の株式市場は東京オリンピック近辺は軟調に推移していました。

株式市場は浮き沈みを繰り返しながら、上昇していきますが成長力の高い新興国の不動産は一貫して急上昇していくのです。
私が今まで投資をしていた中国やフィリピンは既に急騰局面を終えており、今現在最も急騰する可能性が高いのはバングラデシュです。
バングラデシュは毎年7%以上の成長を継続し、リーマンショック時も5%以上の成長を維持し首都ダッカの人口は東京の3倍になります。
既に中心部の土地は値上がりを始めており、膨張する人口を賄う為に今後開発が加速する土地に投資をすることにより、3~5年で4~8倍の利益を手にすることが可能な状況となっています。