リート(REIT)

リート(REIT)配当が高利回りの理由 -法人形態・資金レバレッジ-

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こんにちは、YOSHITAKAです。

今回はリート投資(J-REIT)に於ける「配当」について解説していきたいと思います。

まず、大前提としてJ-REITの利回りは、他の金融商品に比べて高いと言われております。

これは投資家にとっては嬉しいことですよね。

投資口は一般企業の株式と同様に元本保証ではなく、

  • 投資金額、
  • 配当、
  • キャピタルゲイン、

の基本3つが投資した際の利回りとして投資機関により計算されます。

投資口

不動産投資信託において、投資家が投資法人に出資する単位のこと。通常の会社における「株式」に相当する。投資法人は、投資家からの出資を集めて設立される法人であり、投資家が投資法人に出資する単位のことを「投資口」と呼んでいる。また、投資口を保有する投資家は「投資主」と呼ばれる。証券取引所に上場されている不動産投資信託の場合、投資口の1口の価格(すなわち投資主の最低の投資額)は、おおむね20万円から100万円程度となっている。投資主は保有する投資口の口数に応じて、投資法人から分配金を受け取ることができる。

引用:三井住友トラスト不動産

今回はそのJ-REITの配当利回りが高い理由について解説していきたいと思います。

上場しているJ-REITは運用利回りが高い傾向にある

上場J-REIT

基本的に高い配当利回りを出すためには、

「不動産の運用環境」

が必要となります。つまるところ、「現物不動産の運用利回り」が高くなければなりません。

「現物不動産」とは、収益物件(土地、一戸建て、マンション)を購入の上、他者に賃借し、家賃・テナント料・地代収入を得る不動産のことです。

不動産の利回りは、その不動産の条件や取得時期によって異なりますが、既に上場しているJ-REITに関しては、ポートフォリオ加重平均の運用利回りで4-6%程度となっている銘柄が多い傾向にあります。

実際にJ-REITが投資家に配当可能な金額は、この利回りの数字から、

  • 減価償却費、
  • ファンド運営コスト、

などを控除したものになりますので収入自体は少し減少します。それでも日本の預金金利(0.01%程度)や債券利回りに比べると高い利回りとなりますよね。

まさに、配当利回りが高くなるもう一つの理由は、近年の日本の低金利環境によるものです。現在は現物不動産の運用利回りが借入金利よりも高い状態にあります。

J-REITは投資主からの出資以外にも、銀行ローンや投資法人債発行によって資金を調達し、不動産に投資しているのです。

この場合、負債(デット)の資金調達コストが低く、資金レバレッジがより効く結果、デットによる資金調達を増やせば増やすほどエクイティの利回りが高くなり、利回りが良くなります。

因みに「レバレッジ」とは「テコの原理」のことです。少ない資金でも、借り入れなどで資金を調達し、資金を増やすことで、その何倍もの金額のお取引が可能となります。

法人形態の違い・制度メリットで高い配当利回りを生むJ-REIT

法人設立の制度の違いが、配当利回りを高くしている側面があります。

以下の表は、上場J-REITと上場不動産会社の相違点です。法人税の「課税の有無」や「配当政策」が大きく異なっていますよね。

上場J-REIT上場不動産会社
法人投資法人株式会社
資本(エクイティ)投資口株式
有価証券投資証券株券
株主投資主株主
意思決定機関投資主総会株主総会
負債(デット)投資法人債・借入金借入金・社債
会社代表執行役員代表取締役
従業員有無雇用なし複数
業務内容不動産賃貸・売買不動産分譲、賃貸、不動産ファンド運用、開発他、
配当実績配当(基本配当性向≒100%)会社の配当政策により配当性向決定
法人税非課税(勢無条件満たした場合)課税
投資家への配当課税配当控除・配当益金不算入の制度はなし配当控除や配当益金不算入制度あり

J-REITは法人税が実質非課税であり、不動産運用で得られた利益のほぼ100%を配当します。

それに対して、上場不動産会社は法人税が課税され、配当性向が100%未満であることの方が多いのが通例となります。

J-REITの配当利回りが高くなる理由もわかりますね。

J-REITが上場不動産と異なる特徴・形態を取ることを実質的に投信法や税法の枠組みの中で義務付けられていることも理由になります。

例えば投資法人に、法人税実質課税の特典が認められるための条件がいくつかあり、その条件を満たすため、J-REITは業務のほとんど全てを外部委託したり、配当性向を100%近くにしたりする必要性が出てくるのです。

J-REITは、法人税実質非課税が認められるよう配慮して運用されています。しかし、それが100%保証されているものではないので留意した方が良いでしょう。

J-REITが可能にする利益超過分配金

J-REITが利益のほぼ100%を配当してきたことは先に触れたとおりですが、その後「利益超過分配」という新しい取り組みを実施するJ-REITも現れました。

利益超過分配金(りえきちょうかぶんぱいきん)

REIT(不動産投資信託)など会社型投資信託(投資法人)における資本の払い戻し(減資)に相当する分配金のことで、OPD(Optimal Payable Distribution)とも呼ばれる。国内上場REITは、主に倉庫などの物流施設に投資するREITが通常の利益を原資とする分配金のほか、利益以外を原資として払う分配金の一部として採用し始めた。

REITの利益超過分配金は、会計上の費用にあたる減価償却費の一部を資本の払い戻しとして投資家に分配するため、収益から費用を控除した利益を超過した分配になる。投資信託協会では、投資不動産全体に対して決算計算期末に計上する減価償却費の6割を上限として、REITの分配金に充てることが可能と規定している。一般に減価償却費は不動産の修繕や改修費用に充てられるが、物流施設はオフィスなどに比べて修繕費用が少なくて済むことが利益超過分配金の支払いに関係している。

投資家が実際に減価償却費を原資とした利益超過分配金を受け取った場合、資本の払い戻しに相当するため税務上、取得価格の修正を行う確定申告が必要だが、特定口座での売買では確定申告は不要となる。

引用:野村証券

利益超過分配とは、文字のままですが、

「当該期の利益以上の金銭」

を投資家に分配することを言います。

J-REITで初めて利益超過分配を継続的に実施すると発表したのは物流施設に投資するGLP投資法人です。

GLP

GLP投資法人は、当面の間、当該期の減価償却費相当額の30/100に相当する金額を目処として、利益を超える金銭の分配を行う方針を取っていました。

減価償却費ですが、利益超過分配の金額に関係する理由を少し解説します。

減価償却費は「現金支出を伴わない費用項目」ですよね。

つまりは現金の「内部留保効果」があります。

通常は減価償却費の計上額の範囲内で資本的支出に係る工事費が捻出されますが、減価償却費の全額が資本的に支出に使われるわけではなく、残るキャッシュは「物件取得の資金」や「借入金の返済資金」として活用されます。

内部留保

内部留保 企業の純利益から、税金、配当金、役員賞与などの社外流出分を差し引いた残りで、「社内留保」ともいう。 ひらたく言えば「企業の儲けの蓄え」のことだが、会計上は「利益準備金」「任意積立金」「繰越利益剰余金」などの項目で、貸借対照表の純資産の部に計上される。

引用:内部留保

原則内部留保できないJ-REITにとって、減価償却費は貴重なフリーキャッシュフローの源泉となっているのです。

このフリーキャッシュフローをどのように活用するかは各資産管理会社の裁量に任されており、フリーキャッシュフローの一部を投資家への利益として還元するという選択が「利益超過分配」となります。

フリーキャッシュフロー

企業が本来の事業活動等によって生み出すキャッシュフローのこと。ここでいう「フリー」とは、企業が資金の提供者 (金融機関、社債権者、株主など) に対して自由 (フリー) に分配できるという意味。 一般的には本業から稼ぎ出される「営業キャッシュフロー」から設備投資や企業買収に充当される「投資キャッシュフロー」を差し引いたキャッシュフローのことを指す。

引用:フリーキャッシュフロー

上記でGLP投資法人は物流施設に投資していることに触れましたが、物流施設は郊外に立地することが多く、土地代も安く、不動産価格全体に対する建物価格の比率が他の用途に比べて高い傾向にあるのが特徴であり、減価償却費が多く計上される傾向にあります。

しかし物流施設は計上される減価償却費に対して実際に必要とされる資本的支出の金額が少額に留まり、かつテナントは長期契約が多いため、資本的支出の額を的額に見積もることができるといった特性を有しており、比較的利益超過分配を行いやすい投資用途があると考えられています。

むすび

上記の通り、以下の3点がREIT配当利回りが比較して高くなる傾向にある理由です。

  • J-REITは投資主からの出資以外にも、資金調達コストが安い銀行ローンや投資法人債発行によって資金を調達し、レバレッジを活用して不動産に投資しているので利回りが高くなる。
  • J-REITは法人税が実質非課税であり、不動産運用で得られた利益のほぼ100%を配当する。
  • 上場不動産会社は法人税が課税され、配当性向が100%未満であることの方が多くJ-REITに比べると利回りは低くなる。

高いリターンを目指すのであれば、日本REITだけではなく、海外投資も検討の余地があるでしょう。

REIT同様の考え方で投資ができるバングラデシュ不動産も興味があれば記事を参考にしてみてください。

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それでは良い投資ライフを。