002バリュー株投資

ネットネット株の探し方・ベンジャミングレアム投資手法・正味流動資産とは

今回は「投資手法」の一つを紹介したいと思います。

それは、

「ネットネット株」

と呼ばれる有名投資家・ベンジャミン・グレアム氏が確立した投資手法です。

ベンジャミン・グレアム氏はアメリカ合衆国の経済学者で、

「バリュー投資の父」

「ウォール・ストリートの最長老」

と呼ばれるプロの投資家の名をほしいままにする人物でした

今現在も現役投資家として有名な「生ける伝説」、ウォーレン・バフェットの育ての親だったのです。また、同氏が創業した「グレアム・ニューマン社」は世界初のヘッジファンドでした。もちろん業績も素晴らしいものでした。

ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェット

引用:Bloomberg

ベンジャミン・グレアム氏は著書「賢明なる投資家」の中で「正味流動資産株」を加味した株式銘柄を「ネットネット株」と紹介しています。

賢明なる投資家

本書の第15章にネットネット株の手法は記載されています。以下原文です。

「正味流動資産のみ」を考えた簿価よりも「安い」価格で買える株を取得する。

我々が買い付けた銘柄のほとんどは、この「スリム化された」資産価値の2/3以下の価格で入手したものである。

ポイントは、

正味流動資産のみを考えた簿価より安い価格で買える株、

ですね。

では、具体的にどういうことなのか、ネットネット株の探し方を解説していきたいと思います。

正味流動資産とはどのような勘定科目なのか?

「正味流動資産」

あまりよく聞かない言葉ですよね。正味の流動資産、つまり現金や在庫など流動的な資産を「正味」、にアレンジしているわけです。

よく意味がわかりませんよね。

以下の貸借対照表の流動資産、固定資産、負債、純資産の構成を思い出しましょう。

貸借対照表

一応、それぞれ各勘定の定義も押さえておきましょう。

「流動資産」

流動資産は、「現金預金」、「未収金」、「短期貸付金」、「基金」、「棚卸資産」、「その他」および「徴収不能引当金」に分類して表示します(報告書第122段落)。

引用:Ernst & Young

「固定資産」

引用:Ernst & Young

「負債」は、以下のように定義されています(報告書第39段落)。

①過去の事象から発生した
②特定の会計主体の現在の義務
③-1義務を履行するために経済的便益(キャッシュ・フロー)が流出するか
または
③-2サービス提供能力の低下を招くことが予想されるもの

①「過去の事象」を定義に含めているのは、負債の発生原因となる事象(出来事)が生じている必要があるという意味です。

③企業会計では、経済的便益が流出するもののみを負債と捉えていますが、統一基準では、サービス提供能力の低下を招くものも負債となります。

負債は、「固定負債」および「流動負債」に分類して表示します(報告書第131段落)。固定負債と流動負債の区分は1年基準によります(報告書第67段落)。

引用:Ernst & Young

「純資産」

資産−負債=純資産ということになります。純資産は、大きく2つに分けることができます。「株主資本」と「株主資本以外」の2つです。株主資本は、さらに「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」の3つに区分されます。

引用:はじめての決算書

ここまで確認した上で、「正味流動資産」とは何かを理解しましょう。2度目となりますが、正味流動資産を表示したBalanceSheetが以下です。

上記の部分が正味流動資産となりますが、この項目を算出する式は、

現金及び預金+受取手形及び売掛金+有価証券+投資有価証券-(流動資産の貸倒引当金-固定資産の貸倒引当金+負債合計)正味流動資産

です。グレアム氏の提唱するネットネット株とは、時価総額が正味流動資産の2/3以下となっている株式銘柄を指し、同銘柄は割安であるとして投資を進めたのです。

時価総額の定義を確認

上記で正味流動資産と株式銘柄の時価総額を比べ、後者が2/3以下であった時に割安であると判断すると解説しましたが、実際にその企業銘柄を購入する際は「時価総額」を払って購入しますよね。

株式の「時価総額」とは1株当たりの値段(=株価)に株数を掛け算して求めます。1株100円で100株発行していたら時価総額は10,000円です。

再度確認すると、グレアム氏のネットネット株投資は、

正味流動資産×2/3 > 時価総額 =投資推奨

ということです。

グレアムの正味流動資産の算出式には明確な欠点がある

グレアムのネットネット株ですが、財務諸表の本質に立ち返ってみると、不可解な部分があります。

以下の式の、流動資産に入っている棚卸し資産の商品・積送品・試用品・原材料・貯蔵品 ・半製品・仕掛品などなどです。

現金及び預金+受取手形及び売掛金+有価証券+投資有価証券 -(流動資産の貸倒引当金 – 固定資産の貸倒引当金+負債合計)正味流動資産

これらの棚卸資産勘定は、評価軸も商品により異なりますし、貸借対照表とは、一瞬を捉えた「写真」であり、商品の評価はその一瞬一瞬で変化していきます。今後売れる可能性が低く、資産価値がないにも関わらず、適切な評価がなされず高価格で計上されている可能性もあります。

上記のことから、私はグレアム氏の手法を欠点があると考えています。

本来は資産を「現金性資産」と「その他の事業性資産」に分けるのがベターです。つまり商品を現金性資産から外すということですね。

現金性資産は、

  • 現金、
  • 売掛金、
  • 受取手形、
  • 有価証券等の現金又は現金に換金できる資産、

事業性資産は、

  • 事業に利用する商品、
  • 設備、
  • 建物、
  • 暖簾(無形固定資産)、

を指します。

最終的に、【現金性資産-総負債】を差し引いたグレアム氏の提唱する「正味流動性資産」より更に保守的な純資産が、時価総額より大きい銘柄を投資対象とするのです。

現金性資産 – 総負債 = 「保守的な純資産」 > 時価総額

私がこの計算式がベターだと解説する理由として、その企業が倒産し解散しても、保守的な純資産と時価総額の差分を確実に利益享受できるからです。これで投資するのは更に怖くなくなりました。

ネットネット株を購入する手法自体にも欠点がある

グレアム本人も著書で語っていますが、ネットネット株投資は値上がりまで「数年単位」で掛かってくるのです。目先の利益を狙った投資ではないということですね。

グレアム・ニューマンファンド社もネットネット株を大量に取得し、投資先企業の経営権を掌握し、経営に提言し、企業内部からの積極的な株価向上策を取りました。

「自社株買い」で正味流動資産を増やせば市場もネットネット株と認識してくれるのでは?

と、質問もよく受けるのですが、正味流動資産は自社株買では変動しません。

自社の現金で自社株を買えば、有価証券勘定は大きくなりますが、現金も有価証券も現金同等資産なので現金性資産の総額は変動しません。

但し、正味流動資産は不変ですが、市場に流動している発行済株式数が減少しますので、結果的に「1株あたり」の株価は上昇します。

自社株買いを実施する時は、通常は企業がプレスリリースで発表しますので、市場で更に株が買われ、さらなる株価上昇をするのが毎回のパターンですね。

ネットネット株の探し方ースクリーニング検索はできるのかー

楽天証券やSBI証券では売上高推移や純利益推移、PER・PBR・ROEなどの指標で銘柄を検索できるスクリーニング昨日がついています。(参照:PER・PBR・ROEを分かり易く解説)

しかし今まで見てきた通り、ネットネット株はバランスシートを精査する為、単純にPERやPBRといった指標で測ることができません。

中小小型株で低PERや低PBRの株を抜き出して、その上で財務諸表を分析していく必要があり、なかなか探し当てることが出来ず非常に骨の折れる作業をすることになります。

私が精査の末発見した丸八ホールディングにつしては、以下で詳しく分析しておりますので参考にしてみて下さい!

投資するならネットネット株を購入一択なのか?

では、実際に個人投資家がネットネット株を探し、投資し、複数年待つのが正解なのか?というと、先程説明した通り非常に手間が掛かる割になかなか株価も上がらないので痺れを切らしてしまうでしょう。

その間に他に良い投資話が舞い込んでくる可能性もあり、乗り換えればそれまでの努力も水の泡となってしまいます。ネットネット株を提唱していたグレアム氏も株価上昇を待てず、企業経営権を掌握し舵を取っていましたからね。

おすすめは、グレアム・ニューマンファンド社と同様の投資手法で運用している絶対収益型のヘッジファンドを起用し、下落リスクも避けながら安定的な利回りを得ていくことです。

私が現在起用しているヘッジファンドはグレアム氏と同様の手法でファンド創設以来マイナス運用がありません。

加えて、毎年平均10%以上の成績を上げています。

私募のヘッジファンドは富裕層がメインの顧客となっており、なかなか日本では起用をするに至りませんが、積極的に情報収集することで、必ず辿り着くでしょう。

私がおすすめするヘッジファンドは、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

それでは、良い投資ライフを。

 

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