今回は日本で資産運用を行う場合にまず皆さんが考える投資先として投資信託を挙げられると思います。
今回は投資信託に投資をされようとしている貴方に向けてメリットとデメリットを徹底的に解説していきたいと思います。
Contents
投資信託のメリット①:手軽に投資できる
まず最初に投資信託のメリットについて記載していきます。
投資信託の最初のメリットは投資する分野を決め投資信託を購入することによってプロによる運用を享受することができるという点にあります。
自分で投資する株や債権を調査する必要がないという点に魅力を感じている方が多いのではないでしょうか。
投資信託のメリット②:個人では投資できない銘柄を購入できる
個人で証券会社やネット証券では購入することが出来ない銘柄を投資信託を通じて間接的に保有することが出来ます。
例えば、個人ではアクセスできない米国の高利回債権や、新興国の株や債権にも投資信託を通じることによって間接的ではあるのですが保有することが出来ます。
資産規模があるファンドだからこそ投資できる銘柄が増えるという点は投資信託のメリットの一つといえるでしょう。
投資信託のデメリット①:投資先を選定する必要性
投資信託は確かにプロに運用を任せることができますが、そもそも投資する分野自体は自分自身で決める必要があります。
例えば米国のインフラ系高配当企業に投資を行う投資信託に投資をしたとします。
しかしインフラ系企業の業績が悪く株式市場が軟調であれば、いくら有能なファンドマネージャーによって運用されていても投資成績はマイナスになるでしょう。
まず最初に投資を行う大枠の分野を決めるという一番大事な投資判断を結局行っているのです。
投資信託のデメリット②:質の低い日本の投資信託
デメリットとして一番重要な点なのですが、日本の投資信託の質の低さが挙げられます。実際Morning Starの各国の総合評価のグラフをご覧ください。
引用:Morning Star「Global Fund Investor Study」
とても先進国とは思えない、下から二番目のC-という苛烈な評価が為されています。
評価は課税法規制B+、情報開示C、料金経費D+、販売手段B-となっています。最も問題視されているのは所謂手数料部分であることがわかります。詳しくみていきましょう。
高い手数料
まずは一番問題となっている手数料について最高評価を得ている米国との比較をご覧ください。
引用:金融庁
販売手数料というのは購入した時に発生する一回きりの手数料で、信託報酬というのは年毎に発生する手数料で預入資産全額に対して発生する手数料です。
平均的な日本の投資信託を100万円分購入すると購入手数料は3.2万円、信託手数料は年間1.53万円となります。
金融庁の調査によると100万円投資した場合の手数料は5000円未満と考えている人が全体の5割を超えていることから、実は皆さんが考えられているより高い手数料となっているのです。
米国の手数料と比較すると日本は販売手数料もさることながら、信託手数料が米国の5倍近く発生していることが見て取れます。
何故日本の投資信託の手数料が高いかということは、売れている投資信託のアクティブ比率の高さにあります。
アクティブ型投資信託とは市場平均を上回った成績をあげることを目的に組成された投資信託です。
市場平均である日経平均や特定の指数への連動を目指すパッシブ型の投資信託では、ファンドマネージャーは指数と同じ銘柄を指数と同じ構成比率で購入すればよいので調査や投資判断の必要はありません。
実際日本の売れ筋投資信託は100%アクティブ投資信託なのです。
因みに実際の銘柄なのですが、以下ご覧いただければ分かる通り米国はインデックス(日経平均等の指数)なのに対して、日本の投資信託は米国リートのオンパレードとなっていますね。
流行りの商品を組成して金融機関の窓口で喧伝して日本人に大規模に購入し、手数料を稼ぐ手数料ビジネス化していることが見て取れます。

実際金融庁の森長官の2017年の日本証券アナリスト協会での基調講演を参考に付します。
日本の投信運用会社の多くは販売会社等の系列会社となっています。投信の運用資産額
でみると、実に 82%が、販売会社系列の投信運用会社により組成・運用されています。
系列の投信運用会社は、販売会社のために、売れやすくかつ手数料を稼ぎやすい商品
を作っているのではないかと思います。
これまでの売れ筋商品の例をみても、ダブルデッカー等のテーマ型で複雑な投信が多
く、長期保有に適さないものがほとんどです。こうした投信は、自ずと売買の回転率が高くなり、そのたびに販売手数料が金融機関に入る仕組みになっています。
これまでの売れ筋商品の例をみても、ダブルデッカー等のテーマ型で複雑な投信が多
く、長期保有に適さないものがほとんどです。こうした投信は、自ずと売買の回転率が高くなり、そのたびに販売手数料が金融機関に入る仕組みになっています。
金融庁のトップからも長期保有に適した投資信託は殆どなく手数料ビジネスであるとの批判をうけていますね。
成績
いくら手数料が高かったとしても大きなリターンを出しているのであれば、評価としては高いはずです。
成績について金融庁が纏めた日本のアクティブ型の投資信託の成績をご覧ください。横軸が手数料で縦軸がリターンです。

日経平均の過去10年間の年平均リターンが2.76%の中、日本の投資信託は手数料が高いものであればあるほどリターンにばらつきがあり平均成績も悪くなっています。
実際2017年末時点で2005年~2010年に設定投資されたファンドの資金規模の変化について金融庁が纏めたデータをご覧ください。

10年もたてばほぼ全ての投資信託が半分以下の運用額になっており、流行にのせて一時的に売れるものの、その後投資対象マーケットの縮小とともに価格の下落と投資家の流出で大きく運用額を減らしているのです。
手数料も高く成績が悪いというのは根本的な問題点であるといえるでしょう。
投資信託のデメリット③:毎月分配型投資信託
皆さん毎月分配型投資信託というのを聞いたことありますでしょうか?
寧ろ投資信託といえば毎月分配型であると思われている方も多いと思います。

現に私の奈良県の実家の母親も毎月分配型投資信託を保有しており、毎月小遣いを貰えてるわと嬉々としておりますが、毎月分配型投資信託は金融の常識から考えるとあり得ない運用方式なのです。
先ほどの基調講演でも森長官は以下のように批判しております。
また、毎月分配型の投信は、引き続き多く販売されていますが、毎月分配型では複利
のメリットが享受できないことをお客様に理解してもらった上で投資判断していただくのが「顧客本位」ではないでしょうか。
ここれいう複利のメリットとはどのようなものなのでしょうか。
そもそも複利というのは資産運用を行う上では最も重要なもので、例え数%の運用利回りでも大きな資産を形成することが出来るというものです。
例えば100万円の投資信託を購入して5%の運用利回が20年間継続した場合と、5%の運用益を全て分配に回した場合の最終的な資産の差をご覧ください。

結果的に再投資をしたほうが圧倒的に早い速度で成長していくのです。
このような結果から、欧米では毎月分配型投資信託は販売されておりません。
正に日本特有の販売形態であり、金融庁森長官が指摘するように収益のあがる商品ではなく、販売しやすい商品を組成する姿勢がこの毎月分配型投資信託からも明らかです。
総括とおすすめの投資先
投資信託は確かに身近で個人では投資できない商品に間接的にではありますが、投資できるというメリットはあるものの多くのデメリットやリスクを抱えています。
結局は投資する分野を選定するのは自分自身であり、プロに任せているようであり実際は一番重要な点を自分で投資判断しているのです。
また日本の投資信託は成績・手数料という面で質がわるく、日本の金融界のトップに君臨する金融庁長官が苦言を呈するにいたる金融商品となっております。
管理人としてはもし投資信託に投資をするという観点でみると米国投資信託のように日経平均や米国株式指数平均の投資信託・ETFに投資することをおすすめします。
ETFとはExchange Trade Fund(上場投資信託)の略で、株式と同じく株式市場が開場している間にいつでも取引ができる特殊な投資信託です。
しかし歴史上堅調に推移している米国株であっても年平均は6%~7%に留まっています。
私がおすすめしたいのは平均して市場平均より優位な成績を残し続けているヘッジファンドです。

出典:Harvard Annual Reportsを元に筆者作成
上記を見ていただければ分かりますが、市場が下落している局面で損失をミニマイズして、上昇局面もしっかりととれています。
ヘッジファンドはどのような局面でも収益を生む絶対収益型の投資ファンドで海外の富裕層を中心に選好されております。
投資分野を選択しなければいけない投資信託とは異なり、一度預け入れれば敏腕ファンドマネージャーに一任すれば自動的に運用を行ってもらえる投資ファンドです。
料理で例えると、どんんあ局面にも対応してくれるお抱えのコックを雇っているようなものです。私は信頼する私の東大の後輩により運営されている海外のヘッジファンドに預け入れることにより10%~20%の利益を安定的に享受できています。
最低投資金額は1000万円という敷居の高さはありますが、海外の著名ファンドが1億円~5億円が最低投資金額であることを鑑みると、幾分投資家Friendlyな水準に設定されているといえるでしょう。(また1000万円未満でも相談可のようです)
このようなファンドに興味のある方は紹介することも可能ですので、以下Foamから問い合わせいただければと思います。