今まで以下の記事でバングラデシュ不動産の魅力について解説してきました。
今回は、値上がりが見込める魅力的なバングラデシュ不動産投資について、具体的に解説していきたいと思います。
幾多もある投資先の中で、私が現在バングラデシュ不動産に傾倒している理由については、別記事でもまとめていますので、興味のある方は読んでみてくださいね。
- 外国人が土地を保有できる新興国はほとんどなく、その中でも外資規制の緩いバングラデシュはかなり珍しい。
- しかしバングラデシュ不動産は個人で外国人が土地を保有することはできず法人を作る必要あり。
- バングラデシュの税制は複雑且つ、納税手続きが煩雑であり、登記などを含め、個人で手続きを済ませるのは不可能に近い。
- バングラデシュ不動産に係る課税は、フィリピンなどと比較しても高くはない水準。
Contents
バングラデシュ不動産で個人投資を行わない理由①:個人では土地を保有できない不動産規制、煩雑な登記手続き
まず最初に押さえておきたいのがバングラデシュ不動産に投資する際の法規制についてです。
以前別記事でも少し解説しましたが、新興国不動産に対する外国企業・外国人に対する規制は非常に厳しいものとなっているのが通例です。
例えばタイやフィリピンなど東南アジア諸国は、土地を保有できず上屋であるコンドミニアムのみ所有可能で、中国やベトナムは共産圏であるが故に国民ですら土地を所有できません。
外国人に関しては上屋の占有している土地の「使用権」のみ、インドに至ってはそもそも「不動産投資を禁止」しています。
冷静に考えて、今後人口が増えて実需要が増えていくので、外資の買い占めで土地が上がりすぎると国民が土地を持てなくなることが大きな要因となります。
文字通り「動かない資産」である不動産を外国人に大量に保有されるのは、国家としてもリスクなのです。
しかしながら、バングラデシュでは成長著しい経済と人口であるにも関わらず、外国人でも土地を保有できるという非常に緩い外資規制を敷いています。
これが私がバングラデシュ不動産に投資する理由の一つになります。
3つのバングラデシュ不動産に投資する理由:
- 大幅な経済成長が見込まれる
- 人口密度による不動産需要の拡大が見込まれる
- 外資規制が緩く、「土地」に投資が可能
新興国不動産といえば、コンドミニアム投資が一般的ですが、あなたは現地の人がコンドミニアムに居住する姿を想像できますでしょうか?できないはずです。
コンドミニアムに住むのは、その国に勤めている外資系企業の社員、つまり駐在員又は長期出張者と言われる方々が殆どです。
豊富な現地需要が取れないのはデメリットであり、
特に長期出張者のような方が利用すれば空き家となる時間が多くなってしまい、
管理費などを考慮すると、収益率が落ちるという問題も出てきます。
それではここで、土地が保有ができるとしたら如何でしょうか?
しかも今後新興住宅地として開発される土地や、中国とインドを結ぶ大交差点などにです。
中国とインドを結ぶ大交差点とは、バングラデシュの郊外エリアであるガジプール交差点を指すのですが、
このような土地は豊富な実需需要が取り込めます。
さらに、今後開発されることが確定している土地であるにも関わらず、現状は考えられないくらい安い価格で取引することが出来ます。
ほぼ確実にリターンが見込めるということです。
しかし、土地を保有するにも1点だけ、問題があるのです。
それは外資規制が緩いバングラデシュでも、「外国人が個人として」土地を所有することは出来ず、土地を持つためには現地で外国資本100%でも良いのでとにかく法人を作る必要があります。
では例えばあなたがバングラデシュ不動産に投資をしたいと考えたとして、現地に赴き「登記」をすることが出来ますでしょうか。
日本ですら「登記」というと煩雑なイメージを持たれている方が多いと思いますが、それをまだまだ貧困国の域であるバングラデシュで行うのは相当に難しいことです。
その為、「バングラデシュにすでに法人を設立している会社」経由で購入するのが最も効率的な方法となります。
バングラデシュ不動産で個人投資を行わない理由②:煩雑な税手続き
上記の登記手続きだけでも、個人でバングラデシュ不動産投資を行うハードルの高さが分かりました。
あなたが仮に、煩雑な登記手続きを終え、法人設立までこぎつけたとしましょう。ここからまた、煩雑な税手続きが始まります。
バングラデシュ不動産のみではありませんが、通常は不動産を取得、維持、そして売却をすると税金が掛かっきますね。
この税金の処理を自分で行うことになりますが、どのような手続きが必要なのか?
バングラデシュ不動産投資にかかる税金(+諸費用)を「国土交通省」がまとめてくれていますので、基礎知識として、順に見ていきますが、基本的には以下が内訳になります。一つずつ、詳細を見ていきましょう。
- 「印紙税」+「登記手数料」で7%~14%、
- 不動産売却時に「キャピタルゲイン」に対して15%、
- 印紙税」+「登記手数料」+「キャピタルゲイン税」=22%~29%
(1)印紙税・収入印紙
まず印紙税が土地総額の6%~10%が課されます。
小泉元総理の答弁によると『印紙税とは、経済取引に伴って作成される文章において取引事実を明確化し法律関係が安定化すると考えて、後半な文書に軽度の負担を求める文書に対する課税』とまとめられていました。
分かりにくいですが、要するに取引の内容を「法的に保障」するための課税ということが言えます。海外では契約を反故にされることも多々ありますし、特に重要な手続きとなります。
総合商社時代に作成した海外案件は100%印紙税を払い保障していました。
(2)登記手数料
次に登記手数料が土地総額の1%~4%課されます。あなたが個人でバングラデシュで法人設立した場合ですね。
登記手数料とは文字通り登記する際の発生する手数料です。
(3)キャピタルゲイン税
最後に不動産売却益、つまりキャッピタルゲインに掛かる15%が課税対象となります。
例えば、1000万円で購入した土地の価格が3000万円まで上昇し、利益の2000万円に対して15%、2000万円×15%=300万円が売却時に支払い税金として発生します。
(4)フィリピン・バングラデシュ不動産投資の比較
バングラデシュ不動産投資においては購入時に、
- 「印紙税」+「登記手数料」で7%~14%、
- 不動産売却時に「キャピタルゲイン」に対して15%、
- 「印紙税」+「登記手数料」+「キャピタルゲイン税」=22%~29%
と、単純合計するとこの数値になります。(※厳密にはキャピタルゲイン税は値上がり分に対してなので正確な数値ではありませんが)これは他国と比べるとどのくらいの水準なのでしょう。
代表的な不動産投資の国の1つであるフィリピンと比較してみましょう。
フィリピン不動産に係る取得から売却に係る税金((+諸費用))は以下となります。
- 印紙税:物件価格の約2%
- 登記税:物件価格の約2%
- 移転税:物件価格の約0.5%
- キャピタルゲイン税:物件価格の6.0%
- 付加価値税:12% (320万ペソ以上)
=320万ペソ以上の売却益が出た場合、合計約22.5%
加えて、
固定資産税:1%~2%/年 (市町村により異なる)
特別教育基金:1%/年
火災保険料:0.4%/年
管理組合費:物件による
と、不動産維持費で最低でも年間2.5%かかることになります。
これは3年間保有し売却まで最低でも29%、5年間保有した場合は最低でも34%かかることが分かります。
水準としてはバングラデシュ不動産投資は22.5%ですので税金(+諸費用)がフィリピンと比較して低いことが分かります。
(5)バングラデシュ不動産購入シミュレーション
しかし、本質的に重要なのは税金や諸費用ではなく、どれだけ土地価格が値上がりするかです。今まで見てきた通り、
バングラデシュ不動産は3年で5倍、5年で10倍が見込める魅力的な不動産市場です。
少し購入がイメージしやすいように、税金面も含め、具体的に「1000万円」でバングラデシュの不動産(土地)を購入した場合について考えてみましょう。
(ⅰ)3年間保有して1000万円の不動産価格(土地)が『5倍』の5000万円になった場合の手取りリターン
不動産購入時:
- 印紙税・収入印紙(6%-10%):60万円~100万円
- 登記手数料(1%-4%):10万円~40万円
合計:70万円~140万円
- キャピタルゲイン:5000万円-1000万円=4000万円
- キャピタルゲイン税:4000万円×15%=600万円
(計算)5000-600-70〜140=4260〜4330
最終的な利益(手取り)は4260万円~4330万円 (元の約4.3倍)
(ⅱ)5年間保有して1000万円の不動産価格(土地)『10倍』の1億円になった場合の手取りリターン
購入時:
- 印紙税・収入印紙(6%-10%):60万円~100万円
- 登記手数料(1%-4%):10万円~40万円
合計:70万円~140万円
- キャピタルゲイン:10,000万円-1000万円=9000万円
- キャピタルゲイン税:9000万円×15%=1350万円
(計算)10,000-1350-70〜140=7610〜7680
最終的な収益(手取り)は7610万円~7680万円 (元の約7.6倍)
大きく値上がりするのであれば、初期購入手数料は固定であり、バングラデシュ政府にキャピタルゲイン税を納付しても、土地投資を許可してくれるメリットは大きいですね。
(6)バングラデシュ不動産取得に係る税+手続き料についての総括
バングラデシュの不動産投資の税は高く見えますが、フィリピン不動産投資と比べても割安であり、決して相対的に高い水準ではないです。
重要なのはどれだけ値幅が取れるかであり、値幅により最初の手数料は気にならないレベルとなります。
具体的な個人でのバングラデシュ投資の手順
これまでの説明を踏まえ、法人設立まで、実際にはどのような手順が必要なのかを説明していきたいと思います。
私も実際に個人で行うことも考え、現地の商社時代の駐在員に話を聞いたり、自分で調べた内容を以下に簡単に共有しますが、バングラデシュの不動産投資で肝要なのは5つに集約されます。まずは2つです。
- 現地に行き、日本の外務省の承認を貰い法人を設立
- 土地を現地で探し、土地の所有者と直接交渉を行う
上記2点は、私もトライした結果ですが、非常に難しいです。
そもそもどの土地が上昇するのか、新興国は特別なコネクションがなければ調査をするのは難しく、例え探し当てたとしても現地の土地所有者の方と交渉する必要があります。新興国にありがちな、土地の所有者が偽物である可能性もあります。
さらに、最低でも5000万円以上、出来れば1億円以上の資金がなければまとまった土地を買うことはできませんし、
そもそも交渉に応じてくれません。
買い手候補がたくさんいるからなんですね。
さすがに1つの土地に5000万円以上を張ることは私も出来ません。
最後の3つです。
- 半年に亘る登記作業を自身で抜かりなく行う。
- 土地を維持する(賄賂など回避)
- 土地の売却手続き
登記もまた骨のある作業で、半年はかかると言われています。
2つ目の「維持」に関しては、明言を控えますが様々な筋からの度重なる賄賂の徴収をかわす必要があります。
土地を売却交渉、売却した時のキャピタルゲイン税納付手続き、さらに現地通貨である「バングラデシュタカ」を日本円に両替する際にぼられないように気をつけながら、
海外送金をして日本に還流させる必要があります。
途方もないロードマップですね。
基本的に、個人で登記などをするのはほぼ不可能に近いので、あなたがどうしても個人で法人を作り、
不動産投資をしたいというのであれば、諸経費は増えますが現地のアドバイザーに頼るのが一番でしょう。
私は高額な手数料をとる人間しかおらず、諦めました。
むすび
上記手順を見る限り、個人でバングラデシュ不動産投資を行うということはもはや投資ではなく「一大事業」の域であると思います。
個人でバングラデシュ不動産投資をやる「根気」と「覚悟」と「資金」がある方は、トライするのも良いでしょう。