リート(REIT)

リート(REIT)って何?発祥地米国と日本のJ-REITの歴史について解説する

本日は少し前から話題になっているリート(REIT)について、基礎編ということでそもそもリート(REIT)って何なのか?

何を目的として出来上がったのかという点について記載していきたいと思います。

米国で発祥したリートとは??

まずREITとはReal Estate Investment Trustの略で、簡単にいうと皆さんがよく触れている投資信託の投資対象が株や債権ではなく不動産となっているというだけのことです。

リートは実は米国発祥で、日本は得意技の輸入を行ったに過ぎません。

米国でのリートの歴史は深く我々のような一般の個人投資家が少額であっても不動産を保有できるようにすることを目的に1960年に米国国内歳入法で以下の条件を持つ会社をREITとして規定しました。

リートの条件

リートの資産制限・収入制限
(引用:野村総研)

長々と書いていますが、要は殆どの資産と収入を不動産から得ていなければいけないということです。

そして、この要件を満たすREIT会社は不動産値上益を除く収益(不動産の賃料収入であるインカムゲイン等)の95%以上を配当することにより、この配当分は損金に算入することが出来るのです。

噛砕いて説明します。

例えばREIT会社であるA社の全体収益が3000万円で1000万円がキャピタルゲインからの収入だとします。法人税率が30%であれば法人税3000万円×30%=900万円となります。

しかし、キャピタルゲイン意外の2000万円の95%の1900万円を配当に出せば全体の課税対象は1100万円になり法人税は1100万円×30%=330万円に抑えられるのです。

米国の分配金の割合

米国でのリート(REIT)の歴史

1960年に創設されたREITですが、興隆までには時間を要しました。それではREITの知られざる歴史について紐解いていきましょう。

1960年~1980年台後半迄

創設当社のREITは不動産の保有は認められていたものの、不動産の経営自体は許されていませんでした。

そのため、REITは取得したREITを経営する主体を見つけてこなければいけませんでしたが、当然Feeを支払う必要性があり利益が減少するばかりでなく、経営主体が利益を上げるインセンティブ構造ではなかったためREITの評価は低かったのです。

Feeもかかり、真剣ではない経営者に任せた不動産経営に投資したいとは思えませんよね。

そして更に当時の現物不動産投資では、負債を増やし、更に減価償却費を計上することで損失を出すことで通常の収益と損益通算が出来るといい税制上のメリットがありましたが、REITにはこのような仕組みがなかったことも逆風となりました。

どういうことかというと、不動産投資を行う際に借入金を行いその支払金利と、不動産購入価格の減価償却費によって家賃収入に対して損失を発生させ、そのほかの収益と合算させて課税所得を減らうことが不動産投資ではできたのです。

減価償却について、簡単に説明すると例えば1000万円の設備を購入したとします。この設備は商品を生み出すので将来にわたって収益を生み出す資産ということになります。

そのため、収益に合わせて将来にわたって購入費用を分散して計上していきます。これが減価償却費です。

減価償却費

この減価償却費と支払金利を用いて見かけ上の損失を計上するわけです。

例えば賃貸収入2000万円の物件の支払金利が500万円、減価償却費が1700万円とすると合計▲200万円だとします。

それ以外の収益が1000万円でていれば、最終的な課税所得を800万円に減らすことができるというメリットが現物不動産にあり、REITにはなく全く注目されることはありませんでした。

1980年代後半~1990年代前半

1986年の税制改革法により上記の不動産の節税メリットが低くなったことにより、不動産投資が節税志向から収益志向へと移行し相対的なREITの地位が上昇しました。

更にもう一つの懸案となっていたREITによる不動産運営が解禁となったことも追い風になっていった。

当時起こっていた不動産ブーム・建設ブームによって機関投資家からの資金流入や、当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった日本からのジャパンマネーの流入によって1990年までは活況を呈しました。

しかし、その後の日本の失速、不動産の供給過剰、不動産への商業銀行への過剰投融資が顕在化して急速に勢いを失っていきました。

1990年代中盤以降

このころになるとREIT史上に大きな転機を迎えることになります。

一つは今まで非公開だったREITの上場ラッシュが起こったことです。今までは銀行借り入れによって多くの資金を調達していたREITでしたが、審査基準や融資額が厳しくなったために株式市場からの資金調達の必要性にせまられ多くのREITが上場を果たしました。

更に投資家側の意識にも変化が見られました。年金基金や生損保などに機関投資家がREITの透明性と流動性の高さを評価して、自身のポートフォリオの中に組み入れはじめたのです。

このような状況となり米国でのREIT史上は確立していきました。実際1990年代から米国のリート市場はリーマンショックを除いて右肩上がりに成長していきました。

米国リートとNAVプレミアムの推移
(引用:Fidelity証券)

J-REITの登場

次に日本版のREIT、つまりJapan Real Estate Investment Trustの略であるJ-REITのお歴史についてです。

J-REIT登場までの背景

1990年のバブル崩壊以降、銀行では不良債権問題により新たな貸し渋りで企業が資金調達ができなくなっていました。

そのため、バブル期に大量保有していた不動産を証券化して売却することで、その後の経営に必要な資金を捻出する必要性に迫られていたという時代背景が存在します。

J-REITの登場

J-REITは米国の本家REITから遅れること40年、投資信託法の改正によって、従来株式や債権といった有価証券に限定されていた投資信託の投資分野に新たに不動産が加わることになりJ-REIT登場の法的な素地が整いました。

そして2001年に、日本ビルファンド投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人の2法人が上場を果たしました。

J-REIT解禁当初はどの程度の分配金が実現できるのかが不透明であり、なおかつ2003年の大型ビル供給懸念により価格は低迷しました。

リーマンショックまでのJ-REIT

その後、最初に上場された二社の決算が予想以上に良好であったこと、更に2003年のビルの大量供給がJ-REIT市場へ与える評価が軽微であったことからJ-REIT市場は盛り上がっていきました。

また2003年にJ-REITを組み入れた投資信託が登場したこともJ-REIT市場の躍進を後押ししました。

東証REITの推移
(引用:社団法人不動産証券化協会)

上記の東証REIT指数とはTOPIXのREIT版と考えて下さい。

2001年には2投資法人でしたが、2006年には12投資法人が上場し、REIT投資信託の銘柄は40社を超えました。

リーマンショックを乗り越えて

米国発のリーマンショックは当然J-REIT市場にも余波がきて、初の投資法人の破綻が起こります。

ニュー・シティ・レジデンス投資法人が民事再生を申請しました。J-REIT全体の時価総額もリーマンショック直前の8兆円から2兆円規模まで急落しました。

しかし、その後のアベノミクス、黒田日銀による異次元緩和、更に日銀のJ-REITの買い入れと後押しの要素が重なりリーマンショック以前の水準を大きく超える10兆円以上の時価総額を形成するに至っています。

現在2018年の時点では12兆円、私募リートと合わせると19兆円という水準になっており活況を呈しています。

J-REIT指数の推移
(引用:社団法人不動産証券化組合)

こうみるとTOPIXよりも優秀な成績を収めていることが分かります。

総括

REITは米国で発祥した不動産投資信託である。日本では1990年代のバブル崩壊を契機として、米国から遅れること40年の2000年からJ-REITが登場し、2008年からのリーマンショックを乗り切って順調に市場が拡大している。

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