本ブログでは、海外投資をテーマに発信していますが、最近ではヘッジファンドに興味のある方が徐々に増えつつあり、私の投資経験からアドバイスしてみたいと思います。
今回は、「失敗しないヘッジファンドの選び方」について解説していきます。
Contents
ヘッジファンド選びで考えなければならないこと
あなたは資産運用を考える際に、自分で運用するのか、運用のプロに任せるのかを考えるかと思います。
自分で資産運用を考えた時に真っ先に思い浮かぶもので、
- 株式投資、
- 先物取引、
- FX、
などがありますが、特に会社員の方は時間の制約もあり結果を出すのは非常に難しいですよね。
世の中にはこの難しさを逆手に、「絶対に成功するデイトレード」など自分が成功していないにも関わらず適当な内容の情報商材を作成し、稼ぐ詐欺師で溢れています。
誰もがその方法を知りたいので、購入してしまう人も多々いるでしょう。私も投資を始めた頃はいくつか大金を払って購入してしまったことがあります。
そもそもですが、マーケットには投資のプロで溢れており、資金力も抜群ですから最初から勝負の場として分が悪いのです。このマーケットで勝つには、長年コツコツと知識を蓄え、手法を確立し、敏感に経済の流れを察知する能力が必要となり、その能力の醸成には長年の努力の積み重ねがあるのです。
野球の試合をするにも、素人の自分が打席に立つより、プロ野球選手に打席に立ってもらう方が試合に勝つ確率が上がるのと同じことです。株式市場で勝っている人間はプロ野球選手と同水準のスキルを持っているのです。
しかし、そもそも資産運用をする為に、多大な時間を使って投資のプロになる必要はあるのでしょうか。あなたはあなたの会社での仕事があり、そこでプロを目指すべきですし、あなたを頼ってくる同僚、取引先もいることでしょう。
同じように、あなたも誰か投資のプロに資産運用を頼めば良いのです。
私自身も自分でトレードすることはありますが、資産運用に充てている資金の半分はプロの投資家に任せています。
ヘッジファンドとは何かー業界をまずは理解・運用額は小国の国家予算レベルー
まずヘッジファンドの定義を把握しましょう。
ヘッジファンド
さまざまな取引手法を駆使して市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたファンドです。ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味で、相場が下がったときの資産の目減りを避けるといったところから用いられています。
普通の投資信託は、運用方法に制限を設定しており、相場が一方向に動いたときのみ利益が出る仕組みのものがほとんどです。
一方ヘッジファンドは、比較的自由な運用が可能で、先物取引や信用取引などを積極的に活用することで相場の上げ下げに関係なく利益を得ます。リスクヘッジしながらも積極的な運用を基本としています。
「市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的とした」という点がポイントです。
上記で挙げた「株式投資」「先物取引」「FX」の3つですが、FXで運用するヘッジファンドは存在しません。
なぜなら、FXだけは勘や感性に近い世界です。
なぜ為替が変動したのか、今後どのように変動するのか、それはファンダメンタルな要素もあり、分析対象が多すぎるのです。一部取り扱っているファンドはあるのかもしれませんが、機関投資家や富裕層などリテラシーの高い投資家はまずお金を出すことはないです。
投資家は「株式投資」で運用しているヘッジファンドを必ず選びます。
では、FXとは異なり、なぜヘッジファンドは運用先に株式投資を選び、資産家は資金を出すのでしょうか?
それは、株式には「確立された投資理論」が存在するからです。
確立された投資理論があるからこそ、ヘッジファンドで国家予算規模の資金を運用している事実があるのです。
AUMの項目が「受託資産残高」となりますがトップのブリッジウォーターは117.8billion USD(1170億ドル、日本円で約11.7兆円)です。莫大な資金を運用していますよね。
ちなみに日本の平成29年度の国家予算は97兆円4500億円ですから、一つのヘッジファンドが日本の1/10の国家予算を運用しているものと考えると、より凄みが出てきます。
では、なぜここまでの資金の資産運用を任され、着実に利益を出せているのでしょう。
繰り返しますが、これも「確立された投資理論」があるからこそ運用資金総額という「信用」として表れているのです。
あなたは自分で株式投資をしたことがありますでしょうか?
新聞やテレビで話題になっている銘柄に投資をしてみるも、次の日には大幅下落、また株価は上がるだろうと損切りをせずに上昇を待っているうちにズルズルと株価は下がり続ける、という負のループに入ります。
そんなことを繰り返すうちに、自分で投資をするのもこりごり、もう資産運用などやめてコツコツとお金を貯金しよう、という思考に切り替わります。
しかし、それは「確立した投資理論」を正確に理解していないことが原因です。
少しだけ、次の項でこの点を深掘りしてみましょう。
その前に、ここまでのポイントを整理しておきましょう。
- 個人が資産運用を失敗するのは株式の「適正価格」を把握できていないことが原因
- そもそもマーケットで収益を稼ぎ続けるのは長年の知見の積み重ねが必須
- 会社員であったら尚更、プロに資産運用を任せるのが最善の選択
- ヘッジファンドとは「市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的とした」ファンド。
- 株式投資には「確立された投資理論」が存在し、機関投資家や富裕層はこの点を信頼して株式運用をするヘッジファンドを資金運用先に選択する。
確立された投資理論・適正価格&バリュー投資
投資理論の大事な点、それは各株式銘柄の「適正価格」です。
適正価格とは、その株式銘柄が「現時点でどの価格であるべきか」ということです。
プロの株式投資家は各株式銘柄を分析し、「適正価格」を把握しています。そして、その適正価格より安くなっている株式を選んで売買しているに過ぎないのです。
しかし、マーケットでは「適正価格」を把握できる人はほとんどおらず、感覚でトレードを繰り返す人がほとんどなのです。つまり、適正価格を知っている人が一人勝ち状態です。
実は、この適正価格を把握してトレードを繰り返す手法を「バリュー投資」と呼び、あの世界の大富豪・ウォーレンバフェットの投資手法として有名なのです。
しかし、バリュー投資には一つだ問題があります。
それは、割安な株式銘柄を購入した後に、売り時である「適正価格」に戻るタイミングだけは読めないのです。
投資家としては適正価格に戻る期間が短ければ短いほど良く、得た利益でさらに別銘柄に投資ができますから、資産運用益はさらに増加していきます。問題解決が必要です。
少し考えてみましょう。割安株を適正価格に戻す方法は何がありますでしょうか?
バリュー投資唯一の弱点・適正価格まで上昇するまでの期間短縮はどうすればいい?
まず、割安株が適正価格に戻らない理由は様々な理由がありますが、主な原因は以下になります。
- 本業の成長が鈍化
- 株主構成に利害関係者が含まれていない、含まれていても支配持ち分が少数
- 余剰資金を次への投資に積極的に回していない
- 利回りの低い事業を抱え過ぎている
- 事業が競合に競り負けている
しかし、この状況を改善させるには、その会社の社長の判断・経営センスに委ねられてしまいます。
経営を分かっている人間がアドバイスできるのが一番ですよね。そのようなことを積極的に実行していくのが、「アクティビストファンド」です。
アクティビスト・ファンド(あくてぃびすと・ふぁんど)
一定以上の保有株式を裏付けに企業経営者に対して増配や自社株買いなどの株主還元の要求や、株主総会における議決権行使などを積極的に行う投資ファンドで、物言う株主とも呼ばれる。
別名「物言う株主」です。
物言う株主
「物言う投資家」や「アクティビスト」とも呼ばれ、株主としての権利を積極的に行使して、会社に影響力を及ぼし、会社を変えていこうとする投資家の総称をいいます。
これは、株式を一定程度取得した上で、その保有株式を裏づけとして、投資先企業の経営陣に対して、積極的に提言等(経営陣との対話・交渉のほか、株主提案権の行使、会社提案議案の否決に向けた委任状勧誘など)を行い、企業価値を向上させるために経営改革を積極的に働きかけるといった役割を果たします。
具体的には、業績が低迷し、株価が割安になった企業などに対して、コスト削減や経営陣の交代要求、事業の選択と集中などを要求し、経営陣に揺さぶりをかけます。
引用:物言う株主とは
つまり、ヘッジファンドはバリュー投資で割安株を把握し株式銘柄を購入し、企業経営に「口を出して」いるということです。これで株価が適正価格まで上昇するよう、画策します。
あのウォーレンバフェットの師である、ネットネット株提唱者のベンジャミン・グレアム氏も株価上昇を待てず、企業経営権を掌握し舵を取っていました。
これは良く考えてみると、割安であっても口が出せる状況の企業でないとダメだということです。
つまり、割安であり、上記の本業の成長が鈍化していたり、利回りの低い事業を抱えている、「株主として」口を出せる「改善可能」な株式銘柄をヘッジファンドは選んでいるのです。
口を出すことで企業の事業が好転し、良いニュースが企業IRなどを通じて世間に流れ、市場は好感し、株価は上昇します。
この手法が機能するのは、受託資産額が多いヘッジファンドだからであり、個人投資家では不可能です。
ヘッジファンドは影響力のある資金を企業に投入しているため、口を出すことができるのです。
- 投資理論の大事な点は各株式銘柄の適正価格、つまりはバリュー投資手法。
- バリュー投資は割安株を見極め購入、適正価格で売却する手法。
- バリュー投資の弱点として適正価格に戻るまでの期間が長期になる可能性がある。
- その弱点をヘッジファンドがアクティビストとして、企業に株主として助言を行い、適正価格まで引き上げ、株主還元の早期化を実現している。
今回の総括
では、上記までのポイントを踏まえ、最後にヘッジファンドを選択する基準が以下になります。
- FXなど感性に頼る投資ではなく株式投資で運用しているか。
- アクティビスであるかなど、投資戦略。
- 受託資産残高の規模が大きく信頼が置けるかどうか。
これらの基準に満たしたヘッジファンドを選ぶことをおすすめします。
日本にもヘッジファンドは多数存在するので、色々と情報収集した上で、選定すると良いかと思います。
ちなみに私が資産運用を任せているヘッジファンドであるBMキャピタルも上記条件を満たしていますので、興味のある方は以下ご覧頂ければと思います。