私募ファンドというと、
投資信託とは違い公募で投資家を募集していませんし、
欧米とは異なり身近にない存在でもあるため、
飛び込むことを躊躇してしまう人は多々いることと思います。
しかし、私募ファンドは最低出資金額は小さくありませんが、
それだけ大きな金額をプロのファンドマネジャーが高いリターンを目指していきますので、
もし最低出資金額をクリアしている状況でその私募ファンドの存在を知ることができたのであれば、
それは一つの大きな好機だと思います。
しかし、気になるのは、
「本当にその高いリターンを実現しているのか?」
ということですよね。
今回は私も運用を任せているBMキャピタルの運用リターンについて、
私自身の復習も兼ねて少し解説をしてみたいと思います。(自身のポートフォリオの運用の見直しも検討できますしね)
BM Capitalの運用成績を、
- 運用利回り
- シャープ・レシオ
- 標準偏差
の3点から詳しく見ていこうと思います。
BMキャピタルの過去運用成績(2013-2018)
BMキャピタルは本格的なバリュー株投資を実践して運用開始以来一回も下落することなく、手数料徴収後の最終リターンで+10%程度のリターンを叩き出しています。
▶︎ 【日本国内ヘッジファンド】BMキャピタルの最新運用利回り・運用手法・評判を長期投資家目線で徹底解剖
特に着目するべきは下落局面での下落耐性の強さで、
運用開始後2014年〜2016年の中国減速・資源価格の下落・BREXITを経て市場が20%近く下落する局面、
2017年の好調相場からの2018年の大幅調整相場で20%以上下落した局面においても
無傷で乗り切っているところが最大の強みです。
資産運用においては大きく下落しないことが最も大事です。
例えば貴方が1000万円を保有していたとして50%下落して500万円になったとします。
すると元々の金額である1000万円を回復するためには+50%では750万円にしかならず、
+100%を出す必要があるのです。
長期的な資産形成を行う上においてはBMキャピタルの下落耐性の強さは大変ありがたいですね。
また聞いた話によるとファンドマネージャーは現在の運用手法を大学時代から10年以上に渡って続けており、
BMキャピタルを設立する前ではありますが、あのリーマンショックをも自信の資産を落とすことなく耐え切ったときいており
長期間にわたって信頼感のおける手法で運用されていることが見て取れます。
BMキャピタルの標準偏差
次に、BMキャピタルの標準偏差を見ていきたいと思います。
その前に定義をまた確認しておきましょう。
標準偏差とは、一般的には統計学における散布度(バラツキ)を計測する手法のことを指します。
標準偏差は金融商品のリスクを数値化する際にも使われることがあります。
投資信託の場合では、ある一定の年数を設定し、まず騰落率の平均値を求め、年ごとにリターンから平均値との差(偏差)を求めます。
それから偏差を2乗して一定期間の年ごとの偏差を合計し、それを年数で割って平方根を出します。
これがリターンとのブレを示す標準偏差で、その数値が大きいほどリスクが大きく、小さければリスクも小さいことになります。
簡単に言えば、標準偏差を見ることで、「価格のブレ」の大きさでリスクを判断するということですね。統計学の世界です。
さて、BMキャピタルこの標準偏差を、
2013年1月の運用開始時期から見ると3.23%となります。
日経平均の標準偏差は4.65%となっていますので、
BMキャピタルの価格の上下は日経平均に対して少ないことが分かります。
市場の下落局面でも柔軟に投資方針を変えリターンを目指していることから、
限定的な価格のブレに抑えられていると言えるでしょう。
安心感がありますよね。
BMキャピタルのシャープ・レシオ
次に、シャープ・レシオを見ていきたいと思います。
まずはシャープ・レシオの定義を事前に再確認しておきましょう。
リスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもので、
この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。
異なる投資対象を比較する際に、同じリスクならどちらのリターンが高いかを考えるときに役立ちます。
このシャープ・レシオは、リスク調整後のリターンを測るものとして、投資信託の運用実績の評価などにも利用されます。
簡単に言えば、小さいリスクでどれだけの高いリターンを実現できているかを測る指標ですね。
計算式は以下となりますが、流し読み程度で問題ありません。
シャープ・レシオ
=(ポートフォリオの収益率 – 無リスク資産の収益率)÷ ポートフォリオの収益率の標準偏差
例えば「10年国債」はリスクフリーな投資と一般的には認識されるものとされており、
10年国債の利回りに対して、
どれだけのリターンを出せたかを、
リスク量(=標準偏差)で割り算をするわけですね。
標準偏差は別途解説します。
1リスク(標準偏差)当たりのリターンと考えるべきかと思います。
シャープ・レシオは日経平均が2013年1月1日以降1.10となっていますが、
BMキャピタルのシャープ・レシオはこれまでの成績を見るとこれを超えており、少ないリスクで高いリターンを獲得できていると考えています。
むすび
今回はBMキャピタルの昨年までの成績を個人的に分析してきました。
今年も毎四半期毎にレポートは配布されていますが、
別の機会で自身のポートフォリオを見直す際に分析してみようと思います。
BMキャピタルの運用手法などは以下の記事で以前に解説していますので参考にしてみてくださいね。
→ 【国内ヘッジファンド】BMキャピタルの運用手法・利回り・評判を長期投資家目線で徹底解剖