002バリュー株投資

バリュー株銘柄分析①:ネットネット株を探せ!丸八ホールディング

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以前ベンジャミン・グレアムの投資手法をネットネット株?ベンジャミングレアム投資手法でお伝えしました。

今回は実際に私が投資した時点においてはネットネット株銘柄であった丸八ホールディングについて現時点2018年7月12日時点でどうなっているかを詳しく見ていきたいと思います。

丸八ホールディングとは?

皆さん丸八ホールディングという名前を聞いたことは恐らくないかと思います。

以前、日本の株式市場の特徴徹底解説~上場企業数が多い?割安?~でも述べさせていただきました、日本は株式市場の時価総額に対して上場企業数が非常に多いという特徴を有しています。

そのため、中小銘柄の中には確りと銘柄分析が行われないまま非常に割安に評価されたままの企業が存在しやすい傾向にあるのです。

特に東証二部や地方の証券取引所に存在する傾向が大きいです。実際今回分析する丸八ホールディングも名古屋証券取引所への上場銘柄となっております。

丸八ホールディングという企業の概要を簡単に纏めます。

【創業】1962年=老舗です
【所在】静岡県浜松市(名証上場が頷けます)
【事業】寝具の販売 (経営理念は「真理の綿の追求」)
【時価総額】165億円 (2018年7月12日現在)
【株価】1,000円 (2018年7月12日現在)
【発行済株式数】16,579,060株 ⇒後で使う数値です
【組図】丸八ホールディングスは持株会社で子会社に事業会社を抱えています。

(引用:丸八ホールディングス)

丸八ホールディングスのバランスシートを徹底分析

概要はここまでにして早速バランスシートから分析を行っていきましょう。


(丸八ホールディングス決算短信より筆者作成)

現金又は現金に変換できる現金性資産である現金・受取手形及び売掛金・有価証券の合計は372.1億円となります。

総資産が588億円なので、かなりの割合を現金性資産として保有していることがバランスシートから見て取れます。

次に負債の項目を見てみます。

総負債は129.2億円であることが分かります。

このことからネット現金性資産は

現金性資産372.1億円総負債129.2億円 =242.9億円となります。

この金額は概要の欄にてお伝えした時価総額165億円を上回っているのでネットネット株として認定することが出来ます。

簡単に丸八ホールディングスのバランスシートを整理すると、以下のようになります。

発行済株式数16,579,060株で除すことにより1株あたり純資産と1株あたりネット現金性資産を算出します。

1株あたり純資産:2,762円
1株あたりネット現金性資産:1,465円 (>現時点の株価1,000円)つまりネットネット株ということですね。

丸八ホールディングスのPLを分析

バランスシートを見ただけで丸八ホールディングがネットネット株の条件を満たした、異常なレベルの割安銘柄であることが分かりましたが利益水準についても念のため確認していきます。

仮に割安でも毎年大赤字を出していたら市場が将来の損失を織り込んでいることになりますからね。

以下は丸八ホールディングスの直近5年間に1株あたり純利益です。


(引用:丸八ホールディングス業績ハイライト)

何故1株あたり純利益が重要かというと、純利益が増加しても発行済株式数が増加した場合、自分1人に還元される利益という意味では逆に減ってしまう可能性があるからです。

実際4年前に増資を行い発行済株式数が2倍に増加しております。

直近の1株あたり利益で70円なので現在の株価1000円のベースで考えるとPERは1000÷70=14.28倍となります。

利益が0成長で株主資本利益率10%、10年間存続として現時点の割引価値を考えると以下のようになります。

1年目:70円÷1.1
2年目:70円÷(1.1)²



10年目:70円÷(1.1)^10
合計:430円

となります。

一応補足のため説明すると10%の資本収益率というのは慣例的な数値で、投資によって10%の利益が欲しいので来年の70円の価値は今年の70円÷1.1の価値しかないという考え方です。

経済学部の方はリスクフリーレートで割り引くという考えを学んだ方もいらっしゃると思いますが、現在の100円と1年後の100円の価値は違うという考え方から来ている計算です。

因みにいかに効率よく利益を上げているかということを考えるために事業性資産ベースでのROEを算出してみます。

事業性資産は先ほどの簡略化した図の通り215.1億円です。発行済株式数は16,579,060株なので1株あたり事業性資産は1,297円です。

つまりROEは1株あたり利益70円÷1株あたりい事業性資産1297円=5.3%となります。ROEが日本企業も10%に乗せたというニュースが直近でもでていることから利益を生み出す体制は弱そうですね。

理論株価との比較

ここまでの議論を纏めていきます。

理論的な株価というのは1株あたり現在の純資産価値と今後の1株あたり利益の現在価値を足し合わせることによって計算できます。

理論株価 = ①1株あたり純資産価値 + ②今後の1株あたり利益の現在価値

要は企業が今いくら資産を持ってて、今後いくら稼ぐから企業の価値(=株価)ってこんだけだよねっていう式ですね。。

①についてはバランスシートの欄で取り上げた1株あたり純資産2,762円

②についてはPLの欄で取り上げた430円

となるので理論株価=2,762円+430円=3,192円

と算出され、現在の株価1,000円がいかに安く評価されているかということが分かります。

そもそも1株あたりネット現金性資産1,465円だけで株価の1.5倍の価値がありますからね。

今現在会社を解散しても最低でも株主は購入株価の1.5倍の清算配当金を受け取ることができるようになります。

100万円分丸八ホールディングスの株を購入し、解散した場合150万円が最低でも受け取れるということです。更に在庫や土地・建物を処分すれば更に大きな金額を受け取ることができるでしょう。

丸八ホールディングスの株価の推移

丸八ホールディングスは上場自体は2016年に行われており、上場当時から異常な割安水準で推移しており、その後下方硬直性を保ちながあら徐々に上昇しています。

私も2017年に投資を実行し20%程の利益を獲得できていますが、今まで分析した通りいまだに考えられないほど割安なのでまだまだホールドしていこうと思います。

個人でのバリュー株投資の欠点

今回のケースでも分かる通り、確かにネットネット株では下落リスクを最小限に抑えられるのですが、正直この銘柄を見つけ出すのに大変な苦労をしました。

一つ一つ財務諸表を精査しないといけないですからね。

更に、個人で投資しても、ネットネット株は今回の丸八ホールディングスのように名古屋証券取引所などの地方証券取引所に上場されており中々脚光を浴びることはなく、本格的に上昇するのに時間がかかります。

丸八ホールディングスは徐々に上昇していっているのでまだましですが、銘柄によっては二年間まるで岩の心電図のように株価がぴくりとも動かないという事例もあります。

このような状況を出来うる限り防ぐためにファンドという形式を利用することが有効となります。

投資信託にはグレアム流のバリュー株投資を行っているファンドはありませんが、国内のヘッジファンドであるBMキャピタルではネットネット株投資を実行しているのです。

ファンドに任せれば自分で探す手間もありませんし、資金力を持って投資を実行するので経営者に自己株買などを勧めることにより能動的に株価を引き上げることも可能になってくるのです。

BMキャピタルについては以下に纏めておりますので、参考にしてみて下さい!