003オルタナティブ投資

オルタナティブ投資の正確な定義&現代必要とされるその背景とは?

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あなたは「オルタナティブ投資」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

正確な定義は、以下になります。

オルタナティブ投資 (オルタナティブとうし)

上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資対象や投資手法のことをいいます。オルタナティブ(alternative)は直訳すると「代わりの」「代替の」という意味です。
具体的な投資対象としては、農産物・鉱物、不動産などの商品、未公開株や金融技術が駆使された先物、オプション、スワップなどの取引が挙げられます。

引用:オルタナティブ投資 (オルタナティブとうし)

一言でいえば、従来資産運用に考えられていた投資先とは異なる商品へ投資しポートフォリオを形成することですね。

あのハーバード大学基金やイェール大学基金も積極的にオルタナティブ投資に傾倒しています。

現代ではの投資知識が必要とされるようになりましたが、私の周りの状況を見てみるとまだまだです。その件は、以下の記事でも解説していますので読んでみて下さいね。

では、オルタナティブ投資が現代で必要とされるようになったその背景を解説していきたいと思います。

オルタナティブ投資は世界の資産運用における常識

上記で説明したオルタナティブ投資ですが、特にリーマンショック以降、伝統的な投資手法だけではリスクヘッジしきれず、機関投資家が積極的に実行するものであると認識されていましたが、現在では富裕層などを中心とし個人投資家間でも当たり前の投資手法になっています。

米国の企業年金ポートフォリオは実に10%-15%がオルタナティブ投資が占め、ハーバードを始めとした米有名大学基金の50%以上がオルタナティブ投資で運用されています。

全世界のオルタナティブ投資運用残高1986年時点からみて100倍以上の拡大をみせています。

  • 1986年時点:120億USD
  • 2000年時点:1兆4000億USD(ヘッジファンド:5000億USD、PEファンド他:9000億USD)

上記内訳ではヘッジファンドが大きな割合を占めていますが、一時期敬遠された時期もありました。LTCM破綻危機の時ですね。

LTCM破綻危機は、1998年の秋頃に発生した、アメリカ合衆国の大手ヘッジファンドLTCMの実質破綻による金融危機をいいます。また、LTCMとは、「Long Term Capital Management(ロングターム・キャピタル・マネジメント)」の略で、ソロモン・ブラザーズで活躍していたトレーダーのジョン・メリウェザーの発案により設立され、1994年に運用を開始し、その取締役会の中には、FRB元副議長のデビッド・マリンズ、ブラック-ショールズ方程式を完成させ、共に1997年にノーベル経済学賞を受賞したマイロン・ショールズとロバート・マートンといった著名人が加わっていたことから「ドリームチームの運用」と呼ばれ、世界各国の金融機関や機関投資家、富裕層などから巨額の資金を集めました(本部は、米国コネチカット州)。

引用:LTCM破綻危機

LTCMを発足させたドリームチームが運用に失敗したことを受け、ヘッジファンドは本当に大丈夫なのか?と不安視されましたが、その後に米国最大の公的年金機関:CalPERSがヘッジファンド運用を決定し、その後の運用成績から信頼が回復しました。

カルパース(CalPERS)

日本語では「カリフォルニア州職員退職年金基金」と訳され、アメリカ合衆国のカリフォルニア州の公務員の公的年金基金をいいます。これは、全米で第1位の規模を誇り、現在、カリフォルニア州に雇用されている労働者、学校の職員、連邦のカリフォルニア州の支部等の職員ならびにそれらの退職者でもって構成されており、その運営にあたっては、透明性を徹底したオープンな対話型組織となっています。また、全米第2位は、カリフォルニア州の教職員退職年金基金である「カルスターズ(California State Teachers’ Retirement System=CALSTRS)」で、教職員向けでは全米最大となっています。

引用:CalPERS(カルパース)

現在ヘッジファンドはマーケット・ニュートラル戦略(市場全体の影響を受けない)で基本的には運用しており、2000年以降の株価低迷、金利低下など様々な事象で運用に苦しむ機関投資家の拠り所となり、その流れが加速し、ヘッジファンドを活用したオルタナティブ投資が拡大しました。

マーケット・ニュートラル

この銘柄は魅力的だ、と思っても株式市場が下落すればその銘柄の株価も下がってしまう。マーケット・ニュートラルは、そんな悩みから生まれた手法です。

市場全体の影響を受けなくともすむようにするための戦略です。マーケットの中でニュートラル(中立)な立場に身を置こうとすることから、マーケット・ニュートラル戦略と呼ばれています。

マーケット・ニュートラル戦略の基本的な考え方目的株式市場の変動による影響を極力排除して、購入した銘柄固有の事情が株価に与える影響だけを考えて運用できるようにする。方法市場全体の値動きのリスクから、購入した銘柄群のリスクを切り離すために、市場全体の値動きを反映するもの(株価指数先物等)を売り建てる。

引用:マーケット・ニュートラル

マーケットニュートラル戦略はつまり、市場動向に関係なく、割安である銘柄に投資し着実に利益を積み重ねていくというものですね。加えてリスクヘッジもできる、ということです。ヘッジファンドの手数料に関しては投資信託と比較して解説していますので確認して見て下さい。

リスクヘッジ対策としてのオルタナティブ投資

機関投資家や富裕層を始めとした、オルタナティブ投資が注目される理由として、「市場との相関性が低い」投資商品に対する分散投資が有効であると認識されている点が大きいです。

特に富裕層はリスクに敏感です。ビジネスでも投資でも「臆病者」が資産をどんどん積み上げていくのです。市場の上下動の他にも、預金封鎖などされて国にお金を徴収されないように常に国の動向を見張っている、そんな彼らが一番リスクが小さい、と考えているのがオルタナティブ投資なのです。

分散投資の考え方はとても大切で、例えば株式市場に資産ポートフォリオが偏っていれば、株式市場が軟調となれば簡単に損失を抱えてしまいます。

オルタナティブ投資でヘッジファンドなどに資産ポートフォリオを分散しておけば、市場平均に連動せず、大きな損失を免れることも可能であり、さらなる収益拡大の可能性も出てくるのです。

2000年以降、ドットコムバブル崩壊リーマンショックをなど大幅な株価下落、政策金利引き下げなど、様々な事象により分散投資の必要性が再認識されました。

加えて、株式投資や債券投資など長きに渡って実践されていたリスクヘッジ手段も機能しなくなっていると周知され始めたのです。

世界で最も洗練された投資家とされている「年金基金」は資金を世界中の株式、債券市場に「国際分散投資」をしていますが、この手法も限界が見えているとの見方があります。米国の株式市場が下落すれば日本も連動して下落するという側面があるからです。

新興国株式を考えても中国経済が減速すれば中国に経済依存しているタイやフィリピンを始めとしたASEAN諸国の市場も連動して下落してしまいます。グローバリゼーションの代償といってもよいでしょう。

世界分散してもグローバル化によって連動してしまう株式投資、債券投資はリスクヘッジに限界を迎えた状態であるということがとてもよくわかりますよね。

総括

運用収益を向上させるだけではなく、リスクヘッジとしてオルタナティブ投資が重要であることがご理解いただけたかと思います。

現在は日本は特にヘッジファンドの存在に気付かずに、投資信託で無思考に運用する人が多いですが、合理的に考えればヘッジファンドで運用することが正解だと私は確信しています。

最近ではiDeCoでしょうか。こちらも別記事で解説していますので読んでみて下さ

冷静に、過去10年平均の投資信託の収益率を見てもマイナスですし、手数料も米国よりはるかに高いのです。

投資信託日米比較手数料引用:金融庁説明資料

ここまで理解して、あなたはまだ投資信託のみで資産運用を考えますか?

それではよい投資ライフを。