こんにちは!YOSHITAKAです!
急速に20年ほど前から脚光を浴び運用残高が上昇しているヘッジファンドについて米国の調査機関LCH Investments社からGreat Money Managerという最新の報告が発表されました。
調査では著名ヘッジファンドの設立から積み上げた純利益についてランキング形式でレポートが開示されておりましたの、わかりやすく説明していきたいと思います。
今回の調査結果で注意しなければいけないのは、設立からの純利益の積上であり今年度の利益ではなく、設立規模が長ければ長いほど、運用規模が大きくなればなるほど純利益額は大きくなっていきます。
そのため、現在の時点での利回りではなく長期的な利益を出す力として見ていただければと思います。
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累積純利益ランキング1位:ブリッジウォーター・アソシエイツ レイ・ダリオ氏 $49.7 Bil
(引用:Bridgewater Associates LP)
【設立年次】1975年
【運用資産】$119.9 bil (約13兆円)※
【累積利益】$49.7 bil (約5.5兆円)
【直近利益】$0.3 bil (約330億円)
※日本の国家予算約100超円
※直近利益は2017年1月~12月利益
第1位は堂々の$49.7bilつまり累積純利益5兆5000億円のブリッジウォーター・アソシエイツ社です。規模が二桁程、想定の上を行っていますね。
ブリッジ・ウォーター社のヘッジファンドマネージャーはレイ・ダリオ氏でヘッジファンドの帝王と言われております。上の写真がレイ・ダリオ氏です。
現在運用資産も圧倒的な規模で世界第1位ですが、直近の純利益は規模としては約330億円と大きいですが、運用利回りで考えると少なく0.25%程の利回りとなってしまっています。
近年の傾向として規模が大きいヘッジファンドの運用利益は低下傾向にあることが明らかになってきております。
大きなファンドは投資先をそもそも見つけるのが難しく、素晴らしいパフォーマンスを上げる投資を行っても全体への影響額が小さくなってしまうのです。
また資金規模が大きいからこそ、慎重な投資を行う傾向にあることも一つの原因といえるでしょう。
ブリッジ・ウォーター・アソシエイツは創業者のレイ・ダリオ氏がHarvardのMBAを取得したエリートということもあり、構成員はHarvard大学のMBA卒業等の超エリートを中心に構成されています。
また運用方針は経済学を中心に添えた運用方針で、どのような相場であっても収益を獲得できるオールウェザー型・ポートフォリオの運用を行っています。
そのため、市場が好調な時はパフォーマンスは落ちる傾向にありますが、リーマンショックのような危機時に強みを発揮し下落を防ぐという傾向があります。
そのため、CalPERSを始めとした年金機構に重用されているわけです。資産を大きく減らすわけにはいきませんからね。
累積純利益ランキング2位:ソロス・ファンド・マネジメント ジョージ・ソロス氏 $43.9 Bil
(引用:George Soros.com)
【設立年次】1972年
【運用資産】$27 bil (約3兆円)
【累積利益】$43.9 bil (約4.8兆円)
【直近利益】$2.1 bil (約2300億円)
累積利益第2位は『イングランド銀行(BoE)を潰した男』として知られるジョージ・ソロス氏です。
累積利益に対して現在の運用資産残高が少ないのはITバブル崩壊(参照:ITバブル崩壊の原因んは?株価急騰するドットコムに熱狂した米国経済)で60億ドルの損失を出したことと、2011年に多くの資金を投資家に変換したことに起因しています。
まだヘッジファンドという呼称が定着していない黎明期である1970年代初頭から現在まで活躍されているという息の長さは流石と言わざるを得ませんね。
直近ではアベノミクスを利用して2013年に円安相場を利用して10億ドルの利益を上げ、同年ヘッジファンド市場最高額の利益である55億ドルの利益を叩きだしています。
確かに、私が総合商社で為替トレーダーをやっていた時期もソロスファンド動いてるぞーという憶測が市場を駆け巡ることが多々ありました。市場を動かすほどの大規模な金額で仕掛けるのがソロス・ファンドの特徴と言えるでしょう。
市場を動かすほどの資金を動かした例として有名なのが1992年9月15日のBlack Wednesdayが有名なのではないでしょうか。勝利者側のソロスはWhite Wednesdayと呼んでおりますが。
現在のユーロ統合を目指して当時の英ポンドをBoEは買い支え実態経済と比して、明らかな過当評価が英ポンドに対してなされていました。
ソロスはこの実際の価値と取引されている価値の差に着目して、英ポンドを膨大な金額で売り仕掛け英国中央銀行のBoEが買い支えできなくなり、3カ月で20%の下落の契機となったのです。
つまるところソロス・ファンドの哲学は実態より高く評価されているものを売り、安く評価されているものを買うという投資の原理原則を突き詰めた手法であるということが言えます。
マクロファンドの代表格ということが出来るでしょう。
累積純利益ランキング3位:シタデル ケン・グリフィン氏 $28.6 Bil
(引用:Zero Hedge)
【設立年次】1990年
【運用資産】$27.1bil (約3兆円)
【累積利益】$28.6 bil (約3.2兆円)
【直近利益】$3.4bil (約3800億円)
第3位はシタデルです。マネージャーのケン・グリフィンは現在48歳と著名投資家がバフェットの89歳をはじめ若いといわれるレイ・ダリオ氏が69歳であるのからすれば如何に若くして成功しているのかがお分かりになるかと思います。
更にシタデルにはなんと元FRB議長のバーナンキもアドバイザーとして就任している県リアル新進気鋭のファンドとなっています。
ブリッジ・ウォーターとソロス・ファンドと比べて2017年度の利益率が高いことも特筆に値します。
シタデルの運用手法は、さまざまな運用を駆使するマルチ戦略で一言では言い表せませんが、特徴としてはPCを駆使して尚且つレバレッジを高めに設定してて運用を行っております。
また期間ファンドであるウェリントンを始めとして多くのファンド運用しているということも特徴として挙げられます。
グリフィンは個人の資産運用でも有名で、ニューヨークのペントハウスを複数個2億ドルで取引したことでも有名で、不動産王としても名を馳せています。
総括
累積で多くの利益をあげているファンドは長い期間運営されているという特徴と正攻法の安いものを買い高いものを売るマクロ系ファンドが多い傾向にあることがわかる。
一方、規模が大きく純利益の絶対額が多くても利回りが高いとはいえず、一般に資産規模が大きくなればなるほど利回りは減少する傾向にある。
10%以上の運用益を狙っていきたいのであれば、規模は小さくとも新進気鋭のファンドに投資を行ったほうがよいでしょう。